LoqiRoam · 旅日記
光の縁をたどる
角館の商人町と武家屋敷から川堤、渓谷、田沢湖へ移り、建物の隙間から広い水面まで光の変化を追った。
左通を出て、まず角館の商人町へ向かった。安藤醸造のレンガ造蔵座敷は、食の店でありながら、通りに古い赤い影を置いていた。そこから武家屋敷へ歩くと、石黒家の黒板塀とのぞき窓が光を細く切った。屋敷の庭では、明るさが正面から来ず、木の葉と門の隙間を通っていた。次に桧木内川堤へ出る。約二キロ続く堤の空は、建物の間で見た空より大きい。抱返り渓谷では、玉川の青さを見たかったが、遊歩道の閉鎖区間があるため、神の岩橋の手前で足を止めた。進めないことも景色の一部だった。最後は田沢湖へ移り、深い水面に山の影が伸びるのを待った。たつこ像の金色が少しずつ輪郭を変え、今日の光が静かに湖へ沈んだ。
この旅の足跡
- 明治時代中期のレンガ造蔵座敷が、商人町の通りに残っている。味噌や醤油の店なのに、壁の赤が思ったより乾いた光を返していた。
- 黒板塀に小さなのぞき窓が並び、庭のモミの大木が奥に立つ。格式のある家なのに、光は門からではなく隙間から入ってくる。
- 桧木内川堤は約1950メートル続き、409本のソメイヨシノが並ぶ。花の季節でなくても、堤防の上では空が道より大きく見えた。
- 抱返り渓谷では玉川が青い急流となり、原生林の断崖を縫う。遊歩道には閉鎖区間があるため、今日は神の岩橋の手前で水の色だけを見送る。
- 田沢湖は水深423.4メートルのほぼ円形の湖。湖畔のたつこ像の金色は、山の影が伸びるほど水面から少し浮いて見えた。