LoqiRoam · 旅日記

影の裏側にある流れ

木花の丘と渓谷から青島の岩棚、堀切峠の遠景へ。影の形を追ううち、森と海をつなぐ流れに出会った。

木花では、丘の上の社に残る泉と、南に見える山を見た。そこから加江田川へ下り、かつてトロッコが走った道を歩く。森の影は濃く、音は細い。やがて県総合運動公園の広い屋根が現れ、影は人の手で大きく形づくられていた。海へ出ると、鬼の洗濯板の縞が潮の明るさを割っている。青島ではビロウ樹の葉陰に社が沈み、外へ向かっていた足が、少しだけ内側を向いた。最後は堀切峠へ。道の駅から見下ろす海岸は、さっきまで近くで見ていた岩の連なりだった。影を追っていたはずなのに、帰りには、森も社も海も同じ流れの途中にあるように見えた。

この旅の足跡

  1. 丘の上の木花神社では、霊泉桜川と無戸室の跡が木陰に残る。南の斟鉢山まで見えると知り、神話は遠い話ではなく、足元の影から始まる気がした。
  2. 加江田渓谷には照葉樹の自然林と、かつてトロッコが走ったほぼ平坦な遊歩道がある。水音のそばで、木々の影だけがゆっくり動いていた。
  3. 県総合運動公園には木の花ドームなどの施設が広がる。競技のための大きな屋根が落とす影を眺めると、森とは違う、人が作った静けさが見えてきた。
  4. 青島の鬼の洗濯板は、砂岩と泥岩の互層が波に削られた奇石群だという。潮が引いた岩の縞は、海が何度も書き直した道のように見えた。
  5. 青島神社は周囲約1.5kmの島全体を境内とし、ビロウ樹に囲まれた元宮がある。朱色の社殿より先に、葉の重なりがつくる暗がりに目を奪われた。
  6. 道の駅フェニックスは堀切峠から南へ約1km、眼下に鬼の洗濯板と海を望む場所にある。近くで追った影が遠景にほどけ、最後に旅の輪郭が見えた。
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