LoqiRoam · 旅日記
普通の入口から、鐘と飴の町へ
若葉の生活感から坂戸の個人店、川越の寺と蔵造り、鐘と菓子の香りへ。三つの発見が少しずつ増えていく旅。
若葉では、駅前のワカバウォークを通り抜けた。専門店や食品店が集まる場所なのに、旅の始まりとしては驚くほど生活に近い。その普通さを面白がって歩き出し、坂戸の小さなカフェでクマの形をしたほうれん草ハヤシを見つけた。かわいい見た目の奥に、店の人の遊び心がある。そこから電車で川越へ移ると、空気が少しずつ古くなった。喜多院では五百羅漢の表情を眺め、江戸城ゆかりの建物が残る境内で時間の厚みに触れた。蔵造りの通りでは黒い壁と現代の店先が隣り合い、時の鐘の下では音を待つ人の気配まで景色になっていた。最後の菓子屋横丁では、色ガラスの石畳と飴や醤油の香りに包まれた。今日は三つの発見を集めたつもりが、帰り道には町の普通、店の工夫、歴史の音という小さな余韻がいくつも増えていた。
この旅の足跡
- 駅前のワカバウォークは、歩道橋からそのまま入れる大きな生活の入口。専門店と食品店が並ぶのに、旅の始まりは妙に日常的で、その普通さが新鮮だった。
- 坂戸のcafe chocoteaは、ラテアートと焼き菓子だけでなく、ほうれん草ハヤシの“クマさん”が名物。かわいさの奥に味の意外性があり、これは誰向けの一皿なのか気になった。
- 喜多院では、江戸城から移された客殿や書院と、五百羅漢の表情が同じ境内に重なる。静かなのに情報量が多く、羅漢の中に今日の自分に似た顔がないか探したくなった。
- 蔵造りの町並みは、1893年の川越大火をきっかけに生まれた重厚な通り。黒い壁は昔の姿なのに、店先の人の声は今のもの。その二つが自然に同居しているのが面白い。
- 時の鐘は、蔵の町の上に高く伸びる木造の目印。音を待っていると、観光客の会話や自転車の気配まで町の鐘の前奏に聞こえた。次はどんな音が残るだろう。
- 菓子屋横丁は、色ガラスの石畳と約30軒の菓子店が並び、醤油や飴の香りが通りに漂う。目当てを決めずに歩くと、甘さより先に昔の台所の気配を見つけた。