LoqiRoam · 旅日記
雪明かりのなかで、影の居場所を探す
博物館と科学館で土地と宇宙の記憶に触れ、公園と街路で影の形が変わるのを眺めた。
永山を出るころ、光はまだ白く、景色の輪郭を急がせなかった。旭川市博物館では、北国の暮らしやアイヌ文化を伝える展示の前で、展示物そのものだけでなく、ガラスに重なる自分の影に気づいた。科学館へ移ると、影は過去の記憶から宇宙の想像へ変わる。情報が増えたぶん、常磐公園の池のそばで黙る時間が必要になった。木立の影、水面の揺れ、公会堂へ向かう人の足元。壺屋の菓子を選んでひと息ついたあと、買物公園を歩くと、影はもう孤独なものではなく、店先と街路樹と往来が一緒につくる街の模様だった。帰り道に残ったのは、影の正体ではない。光のほうが、静かに移動し続けているという感覚だった。
この旅の足跡
- 旭川市博物館は北国の暮らしやアイヌ文化に触れられる展示があり、ガラスに重なる自分の影まで展示の一部に見えてきた。
- 旭川市科学館サイパルは北国・地球・宇宙をテーマにした体験展示があり、暗い室内で影が惑星のように浮かんだ。
- 常磐公園は旭川中心部にある最初の公園で、白鳥の池や千鳥の池と木立が残る。冬の光が水面へ細長い影を落としていた。
- 旭川市公会堂は常磐公園の樹木に包まれた文化施設で、大きなホールの入口には人の気配だけが影のように行き交っていた。
- 壺屋総本店は旭川の菓子を扱う老舗で、き花にはダイヤモンドダストを思わせる北国の記憶が込められている。
- 平和通買物公園は旭川駅から約1km続く日本初の恒久的歩行者専用道路で、店先と街路樹の影を人の流れが横切っていく。