LoqiRoam · 旅日記
本棚、鳥居、水面
東所沢で、パンの香り、巨大な本棚、住宅地を流れる柳瀬川をつないだ軽やかな散歩。
東所沢駅を出たとき、行き先はまだ決めていなかった。まず住宅地の中のベルテコへ寄ると、南欧風の一軒家と焼きたての香りが、駅前の日常を小さな旅に変えてくれた。そこから歩いて角川武蔵野ミュージアムへ向かう。本棚劇場の巨大な壁は、図書館というより本の内部で、視線が何度も上へ引っぱられる。隣の武蔵野坐令和神社では空気がすっと静まり、現代の文化施設と祈りの場所が同じ街にあることが不思議に感じられた。東所沢公園では木々の隙間から建物を見返し、旅の速度を落とす。最後は柳瀬川まで足を伸ばした。展示も説明もない水面なのに、住宅地の午後を別の角度から見せてくれる。帰り道には、駅へ向かう歩道まで散歩の一部に思えた。今日は大きな名所を集めたのではなく、香り、本棚、水面という三つの小さな発見を拾った午後だった。
この旅の足跡
- 南欧風の一軒家が住宅地にふっと現れ、焼きたての香りで旅のスイッチが入った。ベルテコはパン屋なのに、店先の空気まで少し遠い街へ連れていく。
- 角川武蔵野ミュージアムは本棚劇場の巨大な本の壁が強烈で、建物を見ているのにページの中へ入ったようだった。10時から18時まで開館するのも、午後の寄り道にちょうどいい。
- 武蔵野坐令和神社は、現代的な文化施設のすぐそばで静かに祈りの場をつくっている。新しさと古さを分けずに並べる発想が、少し不思議で気になった。
- 東所沢公園では、木々の間からサクラタウンの建物がちらりと見える。さっきまで主役だった建築が背景へ下がり、葉音と木陰が前に出る瞬間が面白い。
- 柳瀬川は所沢と清瀬の境を流れ、遊歩道も整えられている。名所らしい派手さはないのに、水面を眺めると住宅地の午後が少し遠くなった。
- 東川さくらおさんぽコースは、サクラタウンと水辺や緑を結ぶ道として紹介されている。帰り道にその発想を思い出すと、駅へ戻る歩道まで旅の続きに見えてきた。