LoqiRoam · 旅日記

看板の先で、川がひらく

雑色商店街からタイヤ公園、六郷神社、六郷水門、河川敷、大師橋へ。生活の看板と水辺の歴史をつなぐ散歩。

雑色の駅前では、まず看板の文字に足を止めた。食料品や惣菜を知らせる短い言葉が並び、ここでは観光のための景色より、今日の暮らしそのものが道案内になる。少し歩くと、西六郷公園の古タイヤの怪獣とロボットが現れ、商店街の現実感に思いがけない遊び心が混ざった。そこから六郷神社へ向かうと、1685年の狛犬が迎える。大きな頭とユーモラスな顔つきという説明を思い出しながら眺めると、古いものは重々しいだけではないと気づいた。六郷水門では、排水や舟運を支えた仕組みが町章の意匠をまとって残っていた。最後は河川敷の遊歩道を歩き、大師橋の近くで川と工場と橋の線を眺めた。出発時は看板を追っていたのに、終わる頃には、水の流れが次の小道を指しているようだった。

この旅の足跡

  1. 雑色商店街は大田区最大の店舗数を誇ると知り、食料品から惣菜まで看板の種類に足が止まった。観光地らしさより、毎日の買い物の声が濃いのが面白い。
  2. 西六郷公園では古タイヤ約3000本が怪獣やロボットになる。線路の電車からも見えるという大胆さに、歩いて見たらどんな表情になるのか気になった。
  3. 六郷神社には1685年奉納の、区内最古とされる一対の狛犬が残る。大きな頭とユーモラスな顔つきだという説明を読み、実物の表情を確かめたくなった。
  4. 六郷水門は1931年竣工で、橋の高欄には旧六郷町の町章が意匠として残る。排水を担った実用品なのに、舟だまりと草が風景を柔らかくしている。
  5. 六郷橋から六郷水門までの河川敷には整備された遊歩道が続き、散策やランニングの人が行き交う。水門で見た硬い線が、ここでは川の流れにほどけていく。
  6. 大師橋の近くでは多摩川の流れと橋の長い線が視界を分ける。遠くの工場の輪郭まで含めると、東京の端は終点ではなく次の道の入口に見えてきた。
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