LoqiRoam · 旅日記
水音から足袋蔵へ
吹上の元荒川から荒川、石田堤、忍城、足袋蔵の町を経て、さきたま古墳公園の風へ抜ける音の旅。
吹上では、駅前の予定を決めてしまわず、まず元荒川の護岸まで歩いた。橋の下で水の音を聞くと、旅は名所を集めることより、響きの変化を追うことだと分かる。荒川へ出ると視界が急に広がり、水管橋の大きさと土手の風に少し驚いた。その後、石田堤で水攻めの記憶に触れ、忍城と郷土博物館で土地の時間をたどった。城下町では足袋蔵の壁や、今も残る仕事の気配に耳を澄ませる。最後のさきたま古墳公園では、丸墓山古墳へ向かう草の道がすべてを静かにほどいてくれた。水、風、土、ミシン、そしてまた風。短い旅の中で、行田は音の層として残った。
この旅の足跡
- 吹上元荒川は約8km続き、17の橋と親水護岸があるそうです。水音のすぐそばを歩けるのに、橋ごとに響きが変わるのが面白い。
- 荒川のそばには日本一の長さと紹介される水管橋があります。生活を支える巨大な構造物なのに、土手では風の音の方が先に届きそうです。
- 石田堤史跡公園には、1590年の忍城水攻めに築かれた堤の跡が残ります。土の盛り上がりを見ていると、昔の緊張が今の静けさに沈んでいる気がします。
- 忍城の再建された御三階櫓と、本丸跡の郷土博物館を訪ねます。館内は午前9時から午後4時30分までで、城下の時間が急に近くなります。
- 行田の裏通りには、土蔵や石蔵などの足袋蔵が残り、時折ミシンの音が響くそうです。観光地の静けさより、仕事の気配が残る町角に惹かれます。
- さきたま古墳公園には9基の大型古墳があり、丸墓山古墳には登れます。夕方の草むらでは、足袋蔵の町の音が遠のき、風だけが古墳の輪郭をなぞります。