LoqiRoam · 旅日記

音の細道、三間から宇和島へ

三間の巡礼文化から宇和島の鉄道、食、庭園、歴史資料へ音の層をたどった。

伊予宮野下を出ると、最初に向かったのは三間の仏木寺だった。茅葺きの鐘楼を見上げていると、聞こえないはずの鐘の残響まで、田園の空気に薄く混じっている気がした。道の駅みまでは畦地梅太郎の版画と農産物が同じ屋根の下にあり、静かな線と人の声が不思議によく馴染んでいた。そこから宇和島へ下り、和霊公園のC12型蒸気機関車に出会う。止まった車体なのに、運転席を覗くと線路の振動を想像してしまう。きさいや広場でじゃこ天と鯛めしの土地柄に触れたあとは、天赦園へ。市場のざわめきが、池と竹の間で少しずつほどけていった。最後に伊達博物館で武具や書画を見て、今日たどった音は、鐘、車輪、油のはぜる音、水面の沈黙だったのだと気づいた。

この旅の足跡

  1. 茅葺き屋根の鐘楼が境内でひときわ目を引く。静かな山里なのに、ここでは鐘の余韻まで景色の一部に思えて、歩く速度が自然に落ちた。
  2. 道の駅みまには畦地梅太郎記念美術館が併設され、農産物や郷土料理も並ぶ。版画の静けさと売り場の声が同じ建物にあるのが面白い。
  3. 和霊公園には実際に走っていたC12型蒸気機関車が展示され、運転席にも上がれる。噴水と芝生のそばで、止まった車体が走行音を想像させた。
  4. きさいや広場では宇和島産の農水産物が集まり、名物のじゃこ天や鯛めしを味わえる。揚げ物の香ばしさを想像すると、港町の音が急に近くなった。
  5. 天赦園は池泉回遊式の庭園で、池をまたぐ藤棚と伊達家ゆかりの竹が印象的だ。水面の静けさは、さきほどの市場のざわめきをやさしくほどいてくれそうだ。
  6. 伊達博物館は午前9時から午後5時まで開館し、武具や書画、婚礼調度などを展示している。庭で聞いた水の静けさが、今度は物に宿る時間として残った。
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