LoqiRoam · 旅日記

曲がり角の名前を覚える

公園の木陰から文化施設と神社の高台へ進み、薄荷の歴史を経て中心街の喫茶店で休む、北見の街の層を読む散歩。

柏陽から南へ歩くと、最初に現れたのは池と木立だった。野付牛公園の静かな水面で歩く速度が落ち、坂の先の文化センターでは、この土地に暮らす鳥や動物の姿を標本で見た。自然を見たあとに自然の記録を見ると、同じ緑でも意味が増す。さらに高台の北見神社へ向かうと、開拓期から続く場所の重さが足元に伝わってきた。丘を下り、薄荷の記憶をたどって街の中心へ。最後は地下のコーヒー店で一息つき、地上へ戻って駅前の看板を眺めた。名所を集めたというより、公園、坂、鳥居、香り、地下への階段が一本の散歩になった旅だった。

この旅の足跡

  1. 池の水面にカモが浮かび、古い町名を残す野付牛公園。木陰の道を歩くと、北見の街が急に森へほどけていく感じがした。
  2. 坂の先に北網圏北見文化センターが見え、博物館には北見周辺の鳥や動物の標本が並ぶ。窓の外の緑まで展示の続きを見ているようだった。
  3. 北見神社は野付牛公園南端の高台に始まり、春のつつじと秋の紅葉に彩られるという。鳥居の向こうの坂道に、開拓の時間がまだ傾いて残っている気がした。
  4. 北見ハッカ記念館では薄荷蒸溜館も案内され、季節によって開館時間が変わる。建物の前で、見えない香りが通りの温度まで変えるのか試したくなった。
  5. 駅の隣のまちきた大通ビル地下に、21種類の豆をそろえるメレンゲコーヒーがある。大通りの看板を見上げたあと地下へ降りる動きが、街の裏側を覗くようで面白い。
  6. 北見駅から徒歩圏に広がる中心街を歩き終えると、駅前の看板は出発時より少し読めるようになっていた。大きな名所より、曲がり角の名前が旅を覚えさせる。
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