LoqiRoam · 旅日記

山の湯から、松原の風へ

竹駒の山の湯から市街地の記憶と交流を経て、復興祈念公園と高田松原の海辺へ向かった。

竹駒では、駅を出発点として固定せず、まず山の側へ向かった。玉山金山の鉱泉を使う玉乃湯で、土地の深部から届く湯の気配を想像する。そこから市街地へ戻り、震災で被災した資料が修復されて展示に戻った博物館を訪ねた。静かな展示室を出ると、まちの縁側の木の空間とカフェがあり、旅の中に現在の暮らしが差し込んだ。海側へ移動して復興祈念公園の海を望む場に立つと、広田湾と松原と市街地が一続きに見えた。その直後にタピック45の遺構を見ることで、穏やかな景色が単純な穏やかさではないと知る。最後は高田松原の砂浜へ歩いた。残った一本と再生する松原のあいだに、土地が静かに時間をつなぎ直しているような感覚があった。

この旅の足跡

  1. 竹駒町の山中にある玉乃湯は、玉山金山の鉱泉を使う日帰り湯だった。営業は10時から20時、火曜定休。山の静けさを旅の入口に選んだ。
  2. 陸前高田市立博物館では、震災で被災した資料が修復され、歴史と文化の展示に戻っている。静かな展示室なのに、物の時間が強く残っていた。
  3. まちの縁側は気仙杉と気仙大工の意匠を取り入れた交流施設で、館内に観光案内所とカフェがある。人の声が少しだけ静けさをほどいた。
  4. 高田松原津波復興祈念公園の海を望む場は、駐車場から約350メートル、徒歩約6分。広田湾と再生する松原、市街地まで一度に見渡せた。
  5. タピック45は旧道の駅高田松原の震災遺構で、津波は建物に13.7メートルの高さまで達した。海の静けさの裏側に、構造物の沈黙があった。
  6. 高田松原はかつて約7万本の松林を持ち、津波のあと一本の松が残った。海水浴場の砂浜に立つと、再生した景色と失われた厚みが同時に見えた。
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