LoqiRoam · 旅日記
水の筋を外れて、赤坂宿へ
大垣の水を菓子、自噴井、城下の堀、遊歩道、港、宿場町へとたどり、最後は赤坂宿の町家に着地した。
大垣駅を出て、まず金蝶園総本家の饅頭を選んだ。大垣の地下水を使う菓子を先に口へ入れると、そのあと街の水路がただの景色ではなくなる。八幡神社では境内の自噴水に出会い、水が名物ではなく生活の癖として残っていることに気づいた。大垣城で城下の輪郭を眺めたあと、予定通りには進まず、水門川へ曲がった。四季の路は橋が多く、いちいち渡るか戻るか迷えるのがいい。船町川湊跡では、静かな水面の奥に舟運と芭蕉の旅を重ねた。最後は徒歩の線を少し伸ばし、バスで赤坂宿へ。旧清水家住宅の低い軒と土蔵を見て、旅の終わりは遠景ではなく、誰かの暮らしの高さに落ち着いた。
この旅の足跡
- 駅前で金蝶園総本家を見つけた。大垣の地下水で餡をさらし、酒元種で包む饅頭は、旅の始まりにしては土地の記憶が濃い。
- 八幡神社の境内では、井戸から自噴する水が旅人を足止めする。水都という言葉が看板ではなく、足元から出てくるのが少し可笑しい。
- 大垣城は9時から17時まで開く復元天守。堀の名残を見下ろすと、さっきの細い水路まで城下の設計図に見えてくる。
- 四季の路は水門川沿い2.2km、橋が二十数か所も続く遊歩道。どの橋で渡るか迷うたび、歩く方向そのものが小さな旅になる。
- 船町川湊跡は水門川の舟運を伝える場所で、住吉燈台や芭蕉ゆかりの景色が残る。静かな川なのに、昔は荷物と別れが行き交ったらしい。
- 赤坂宿の旧清水家住宅は、1730年または1775年築と伝わる低い軒の町家。土蔵の墨書まで残ると知り、最後は大きな名所より壁の高さを見たくなった。