LoqiRoam · 旅日記

影の向きが変わる坂本

坂本の古道から巨石、公園、石の迷路、農の営み、中山道宿場へ、影の変化を追う小旅行。

美乃坂本駅を出ると、最初に見えたのは観光地らしい輪郭ではなく、道の端に残る静かな時間だった。坂本の由来をたどり、社の木陰で立ち止まる。そこから星ケ見公園へ上がると、巨石の間に町と山がひらけ、自分の影まで風景の一部になった。次に向かった博石館では、御影石のピラミッドが空へ伸び、地下迷路では光が途切れる。硬い石の記憶を抱えたまま、ちこり村で地中から育つ野菜と焼酎蔵の気配に触れると、旅は急に人の手の温度を取り戻した。終着の中津川宿では、古文書の文字と街道の曲がり角が重なり、今日歩いた道にも昔の旅人の影が見えた。帰り道、影はもう追うものではなく、歩いた距離を静かに教えるものになっていた。

この旅の足跡

  1. 坂本神社八幡宮は千旦林の地域に鎮座し、古い坂本の道の気配を今も抱えている。鳥居の影は思ったより濃く、社殿の向こうにどんな往来が続いていたのか想像した。
  2. 星ケ見公園には高さ数メートルの巨石が点在し、山頂から中津川市と恵那山、木曽川を望めるという。岩の脇に立つと、景色より先に自分の影が地面へ沈む感じがした。
  3. 博石館の敷地には約15メートルの御影石のピラミッドと、総延長360メートルの地下迷路がある。石の表面に落ちる光と、地下で消える足音の差に驚いた。
  4. ちこり村では国産ちこりを扱い、世界初のちこり焼酎蔵を無料で見学できる。地下の石から地中で育つ野菜へ移ると、土地の暗がりが急に食卓へ近づいた。
  5. 中津川宿は江戸時代に商人の町として栄え、中山道歴史資料館では古文書や宿場の記録を公開している。展示の文字を追ううち、さっきまでの道にも昔の旅人の影が重なった。
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