LoqiRoam · 旅日記

水面から丘の空へ

水辺、参道、古墳、寺、丘、観音へ、光の距離を変えながら歩いた。

高崎商科大学前を出て、まず烏川の河川敷へ向かった。広い緑地では、景色より先に風が届いた。水面は空を鏡のようには返さず、細かく揺らしていた。そこから山名八幡宮へ進むと、木立の暗さを抜けた先で社殿の色が短く明るくなる。光は場所を照らすだけでなく、歩く速度も変えるらしい。山名古墳群では、住宅地のそばに六世紀から七世紀の古墳と石室が残っていた。遠い時代が遠くにあるとは限らない。その後の少林山達磨寺では、石段の白さとだるまの赤が視界を分け、境内の高低差が空の見え方を変えた。鼻高展望花の丘へ上がると、街は低くなり、畑と空の境目が広がった。最後に白衣大観音を見上げる。小さな反射光を追っていた散歩が、白い大きな輪郭に静かに収束した。

この旅の足跡

  1. 烏川の河川敷は、以前のゴルフ場跡を再整備した広い緑地だった。水面より先に風が見え、駅前から来た耳が急に静かになった。
  2. 山名八幡宮の参道は、木立の暗さから社殿の明るさへ短く切り替わる。社伝の古さを知ったあとでは、赤い建物よりも、足元の影の深さが残った。
  3. 山名古墳群には17基の古墳が残り、模様積みの横穴式石室も見学できる。住宅地の近くで六世紀の石が現れる距離感に、時間の近さを感じた。
  4. 少林山達磨寺では、石段の白さとだるまの赤が視界の中で交互に現れた。境内には本堂や達磨堂、洗心亭があり、坂を上るだけで光の高さが変わる。
  5. 鼻高展望花の丘は高崎市街を見下ろす斜面にあり、季節ごとに花が変わる。花の盛りを外れても、畑と空の境目が近景より明るく見えた。
  6. 白衣大観音は高崎の街を見守る象徴として建てられ、胎内拝観も案内されている。丘の上で見上げる白い輪郭は、ここまで拾った小さな光を一つにまとめた。
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