LoqiRoam · 旅日記
海へ向かう音の薄い道
月見山の森から山北の果樹地、赤岡の文化、手結港とヤ・シィパークまで、音の変化をたどる旅。
香我美を出て、まず月見山の森へ上がった。ここでは景色を見に来たはずなのに、先に耳へ届いたのは鳥の気配と、遠くへほどける子どもたちの声だった。山北へ下ると、森は果樹の斜面へ変わり、観光のために整えられた風景ではなく、季節ごとに手を入れられている土地の時間が見えた。赤岡では絵金蔵の暗がりに立ち、祭りの熱を静かな展示室で受け取った。その濃さを道の駅やすでいったんほどき、海辺へ向かった。手結港では、船のために橋が跳ね上がるという仕組みが、古い石積みの港に突然の動きを与えていた。最後はヤ・シィパークの砂浜と芝生。名所を集めたというより、森、果樹、町、港、海の順に音の質が変わっていく一日だった。
この旅の足跡
- 山の斜面にある森は、遊具の場所というより鳥や植物を観察する自然の森だった。海を見渡せる高さで、子どもの歓声が遠くに薄まる感じが印象に残った。
- 山北では温室みかんだけでなく露地栽培も盛んだと知った。果樹集出荷場の周囲には観光施設とは違う働く土地の気配があり、甘い香りを想像しながら歩いた。
- 絵金蔵では提灯の明かりで祭りの夜を再現し、芝居絵屏風をのぞき窓から見る展示がある。赤岡の町を歩く前から、暗がりの中の強い色が気になった。
- 道の駅やすは店舗ごとに時間が異なるが、全体の案内では8時から21時まで利用できる。海辺へ出る前に、土地の産物と人の往来を短く眺められる休憩所だった。
- 手結港は江戸時代に造られた掘り込み港で、入口の可動橋は船のために大きく跳ね上がる。道路が海へ突き刺さるように見える構造に、便利さと異様さが同居していた。
- ヤ・シィパークには広い砂浜、芝生広場、地元農産物の産直コーナーがある。海水浴場のにぎわいを想像しつつ、夕方の芝生では波と風の音だけを選んで聞けそうだった。