LoqiRoam · 旅日記
古い穴から商店街の風まで
滝尾から石窟仏、横穴古墳、神社、復元庭園、商店街、城址公園へ。古代から現在まで、曲がり角ごとに時間を切り替えた。
滝尾駅を出たときは、近場を軽く歩くつもりだった。けれど最初の曲がり角で予定を外れ、曲石仏の石窟へ向かった。暗い窟の入口には仏像が立ち、静けさの中に意外な迫力があった。そこから滝尾百穴へ進むと、崖に並ぶ横穴が今度は古墳時代の時間を見せてくれた。中へ入れないと知って、かえって入口の形をじっくり眺めた。重くなった気分を大分社の整った境内でほどき、さらに大友氏館跡庭園では池の跡を復元した景色に足を止めた。後半は竹町通りへ出て、歴史の舞台から現在の商いへ切り替わる。最後の城址公園では石垣と空を眺め、名所を集めたというより、曲がるたびに街の時間を入れ替えた一日だった。
この旅の足跡
- 滝尾駅を出ると、最初の道は思ったより生活の匂いが濃い。駅名に引っぱられず、南西の細道へ曲がると、旅の輪郭が少しだけ自分のものになった。
- 曲石仏では、石窟の中に三尊像や高さ約3メートルの仏像が刻まれている。近づくほど入口の守り手が気になり、静かな場所なのに視線の行き先が多い。
- 滝尾百穴は崖に大小の横穴が並ぶ古墳時代後期の墓域で、現在は中へ入れない。遠目には蜂の巣のようなのに、入口ごとに違う時間が閉じているようで不思議だった。
- 大分社は住宅地の中にありながら境内がきれいに保たれている。大きな観光施設ではないからこそ、道を曲がった先で地域の手入れに出会った感じがして、足音まで小さくなった。
- 大友氏館跡庭園は、発掘で見つかった池の遺構をもとに復元された中世の庭園だという。水面を眺めていると、戦国大名の威信より、風が景色を整えていくことのほうが強く残った。
- 竹町通りの屋根の下では、買い物の足取りと店先の小さな工夫が交差していた。名物を探していたはずなのに、何気ない看板や開いた戸口のほうへ視線が吸い寄せられる。
- 大分城址公園の石垣と堀のそばでは、中心街なのに空が広く感じられた。府内城の歴史を見に来たのに、最後に残ったのは木陰の風と、歩幅がゆるんだ感覚だった。