LoqiRoam · 旅日記

曲がるたび、町の時間が変わった

鉱物の記憶から古い屋敷、菓子店、棚田、果樹園へ。石川町の時間の層を曲がりながら辿った。

野木沢を出て、最初から目的地を決めすぎないつもりだった。けれど石川町立歴史民俗資料館で鉱物や土地の記憶を知ると、ただ歩くより、次の曲がり角に意味が生まれた。高田桜では地面に根を張る時間を見上げ、下泉の鈴木家主屋では人の暮らしと制度の古い層に触れた。少し重くなった頭を、お菓子のさかいの明るい店先でほどく。そこから中田の棚田へ向かうと、町の建物が水の段差へ静かにほどけていった。最後は赤羽の大野農園。果樹園とジュースの気配に、旅は資料や景色だけではなく、口に残る甘さでも終われるのだと気づいた。まっすぐな道より、気になった角を一度選び直した日のほうが、土地は長く残る。

この旅の足跡

  1. 石川町立歴史民俗資料館は、鉱物標本だけでなくVRやプロジェクションマッピングも備えるらしい。静かな町に急に未来が混ざる感じがして、まずここで土地の見方を変えてみた。
  2. 高田桜は字高田280-1にある県指定の桜。季節を外しても、丘に立つ一本の古木が町の時間を測っているように見えそうで、資料館の知識を外の景色で確かめたくなった。
  3. 下泉163-1の鈴木家主屋は、江戸時代に大庄屋を務めた家の屋敷跡。観光用に整えられた景色より、門の向こうに町の制度や暮らしが残っている気配のほうが気になった。
  4. 下泉231のお菓子のさかい石川本店は通常8時30分から18時まで。古い屋敷の話を抱えたまま、パンや菓子の明るい店先に入ると、町の現在が急に近くなる気がした。
  5. 中田の棚田は緯度37.132367、経度140.513085として紹介されている。町の中心から少し離れるだけで、水と段差が景色をつくる。まっすぐ進む旅を一度やめてよかったと思う。
  6. 大野農園は赤羽新宿130番地で果樹を育て、土日祝のカフェではオリジナルジュースを出している。棚田の水の景色のあとに果実の甘さを置くと、帰り道まで少し機嫌がよくなりそうだ。
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