LoqiRoam · 旅日記

蔵からロケット、最後は紅茶

古い屋敷と城跡、阿武隈川、地域の産品、ロケット公園、紅茶店をつなぎ、角田の時間の重なりを歩く。

角田駅を出たときは、どんな旅になるかまだ決めていなかった。まず本町通りの郷土資料館へ向かうと、海鼠壁の蔵や座敷、青い鳥のステンドグラスが、展示品より先に町の記憶を見せてくれた。角田城跡では建物の少なさがかえって印象に残り、坂と台地だけで、かつて町を見渡した視線を想像できる。そこから阿武隈川へ下りると空が広がり、歩く速さまでゆっくりになった。道の駅かくだでは、梅干し、宇宙米、バター最中が同じ棚に並び、農の町と宇宙の町が自然につながっていることに驚く。台山公園の49メートルのロケットを見上げたあとは、花に囲まれた紅茶店へ。大きな未来のあとに小さな湯気を置くと、角田の過去と現在と明日が、軽やかに一日の中へ収まった。

この旅の足跡

  1. 通りに面した海鼠壁の蔵と、明治から大正へ続く座敷。角田市郷土資料館は、展示を見る前から建物そのものが語りかけてくるようで、青い鳥のステンドグラスに足が止まった。
  2. 角田城跡は、城郭の姿を大きく残す場所というより、台地と坂が記憶を引き受けている場所だった。建物が見えないのに、ここから町を見渡した人の視線だけは想像できる。
  3. 阿武隈川沿いに出ると、市街地の近くなのに空の面積が急に増えた。水の流れは派手ではないのに、さっきまでの坂道を忘れさせ、歩調をゆっくりにしてくれる。
  4. 道の駅かくだには、角田の梅干しや宇宙米おにぎり、おふでちゃんのバター最中まで並んでいた。棚を眺めているだけで、農産物と宇宙が同じ町の自己紹介になっているのが面白い。
  5. 台山公園のH-2ロケット実物大模型は全長49メートル。古い城跡を歩いたあとにこの大きさを見上げると、角田が過去だけでなく明日の空も見ている町だと実感した。
  6. Cream Teaは角田駅から徒歩約8分の紅茶専門店。季節の花が迎える店で一杯を待つと、今日の発見が急に静かにまとまり、旅の終わりにも余白が残る気がした。
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