LoqiRoam · 旅日記
影の濃さをたどる午後
庄内緑地から商店街、保存町並み、城郭、文化公園、歴史公園へ進み、都市の影の質が変わる午後を歩いた。
庄内通を出て、まず庄内緑地の広い芝生へ向かった。庄内川の遊水地を生かした公園は、駅前の建物に囲まれた視界をいったんほどき、木陰と空の大きさを見せてくれる。そこから円頓寺商店街へ移ると、明治から続く店と新しい店が同じアーケードに並び、庇の影の下で街の時間が折り重なっていた。四間道では土蔵と町家の輪郭をたどり、堀川の水運が残した細い道の向きに足を止めた。名古屋城では石垣の刻紋という小さな印に惹かれ、華やかな天守よりも、石に沈む影を長く眺めた。白川公園で緑と美術館の静けさに身を置き、最後は鶴舞公園の並木と池へ。影を追っていたはずなのに、帰り道に残ったのは、影を生む明るさのほうだった。
この旅の足跡
- 庄内川の小田井遊水地を利用した広い公園。バラ園やハナショウブ園、野鳥の森まであり、芝生の上では影が短く、川沿いでは名古屋の輪郭が遠く見えた。
- 明治創業の店と新しい個性的な店が同じアーケードに並ぶ円頓寺商店街。看板の影が昼の歩道に重なり、下町の時間がまだ商いの中で動いているのが意外だった。
- 堀川の西に残る四間道は、名古屋城築城時に生まれた町で、東側の町人地と西側の農民地の境界でもあった。土蔵の白壁に落ちる電線の影が、地図より雄弁だった。
- 名古屋城の石垣には、築城を命じられた大名が自分の石を見分けるための刻紋が残る。金鯱の華やかさより、石の小さな印と長い影に目が止まった。
- 白川公園の中に名古屋市美術館と科学館が並ぶ。美術館は午前9時30分から午後5時までで、木々の影と黒川紀章設計の建物の輪郭が静かにぶつかっていた。
- 鶴舞公園は1909年開園の名古屋市最初の公園。ヒマラヤスギの並木、噴水塔、奏楽堂、二つの池が中軸に続き、水面の揺れが一日の影を最後にほどいてくれそうだった。