LoqiRoam · 旅日記

湾の縁で、曲がり角を拾う

国縫漁港の人工島から静狩湿原、長万部の鉄道と食、落部の高台、八雲の木彫り熊文化へ。海辺の形と町の記憶をつないだ。

国縫では駅の名前に引っぱられず、まず橋の先へ行った。海岸から伸びる道の先に、ワイングラスのような島式漁港がある。港は人間が海に置いた大きな仕掛けなのに、風と水のほうがずっと自由だった。そこから静狩の湿原へ寄ると、今度は人が近づきすぎないこと自体が景色を守っているように感じた。長万部へ戻って鉄道村を覗き、触れられる部品や古い記憶を見たあと、かなやのかにめしへ。売り切れで早仕舞いするかもしれない店に、こちらの予定を合わせるのが妙に楽しい。湾岸を南へ進み、落部公園の高台から道路と海の曲がり方を見下ろした。最後は八雲の木彫り熊資料館。スイスの熊を起点に北海道の土産文化が育った話を知り、旅は名物を集めることではなく、知らないもの同士のつながりを拾うことなのだと思った。今日は、曲がり角のたびに地図が少しだけ別の顔を見せた。

この旅の足跡

  1. 橋を渡った先に、陸と港が輪のようにつながる国縫漁港があった。全国でも珍しい島式漁港らしい。釣り場として人気なのに、今日は風の音のほうが先に届いた。
  2. 静狩湿原は重要湿地に選ばれている。観光地らしい賑わいを探すと肩透かしで、むしろ人の少なさが湿原の輪郭を守っている気がした。近くの駅から列車で戻れるのも面白い。
  3. 長万部の鉄道村には、かつて鉄道の町だった記憶を見て、触れて、動かせる展示がある。立派な大駅ではなく、町の倉庫に残る部品のほうが時間を近く感じさせる。
  4. かなやのかにめし本舗は8時から16時まで。ただし売り切れで早く閉まることもあるという。旅人を待つ店というより、先に海の都合を聞いている店に見えて、急にお腹が空いた。
  5. 落部公園は高台から噴火湾と落部市街を見渡せ、約5000本のつつじが植えられている。花の季節でなくても、町を上から眺めると道路の曲がり方が少し読める。
  6. 八雲町木彫り熊資料館は9時から16時30分までで入館無料。北海道第一号の木彫り熊とスイスの熊が並ぶ歴史に、土産物の裏側が急に深く見えてきた。
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