LoqiRoam · 旅日記

街の音がほどけるまで

暮らしの道具、創作の場、古い街道、水辺、喫茶をつないで音の記憶をたどった。

西春から始めた旅は、最初から音楽を探すものではなかった。昭和の暮らしを伝える資料館で、扇風機や日用品の形を眺めていると、誰かの家の夕方にあった小さな機械音が記憶の底から浮かんだ。そこから音楽領域を持つ大学へ向かい、音が演奏だけでなく、舞台や福祉にもつながっていることを知った。南へ移ると景色は古い街道に変わり、町家と土蔵のあいだを、野菜や生活用品を運んだ人々の気配が通り過ぎる。中小田井の緑を抜け、庄内緑地の水辺に立つと、街の音は遠くへ薄まった。最後に喫茶店でコーヒーを飲みながら、今日は耳で拾ったものを、言葉にしすぎずそのまま置いておきたいと思った。

この旅の足跡

  1. 昭和の暮らしを集めた資料館で、扇風機や日用品の展示を想像すると、機械音まで記憶の中から聞こえてくる気がした。300円で入れるのも意外だった。
  2. 名古屋芸術大学には音楽領域があり、演奏だけでなく舞台技術や福祉・医療と音楽を結ぶ学びもある。キャンパスの外まで音が育っていく感じがした。
  3. 中小田井の岩倉街道には町家や土蔵、長屋が残り、道はゆるやかに曲がる。野菜を運んだ往来のざわめきが、格子の奥にまだ残っていそうで不思議だった。
  4. 庄内緑地の西側にある中小田井は、歴史的な町並みと境内の緑が重なる場所。街道を抜けると、音の反射が急に柔らかくなった。
  5. 庄内緑地は庄内川の遊水地を利用した公園で、芝生広場やボート池、大噴水がある。水面の向こうへ音がほどけていくようで、歩く速度まで遅くなった。
  6. 庄内緑地公園駅近くのcaffe Sole・Lunaは、モーニング文化を感じられる喫茶店。旅の最後にコーヒーの香りを置くと、遠くの噴水まで店内の静けさに溶けた。
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