LoqiRoam · 旅日記
音の薄くなる方へ
竜舞の日常から古墳、螺旋堂、地域史、山城へ進み、静けさの変化をたどった。
竜舞を出ると、すぐに遠くへ行くより、まず足元の町を見たくなった。榎戸公園では遊具の間を子どもの声が抜け、静けさとは無音ではなく、生活の音を邪魔せずに聞ける状態なのだと気づいた。カフェで一度歩みを止めたあと、天神山古墳へ向かうと、住宅地の中に全長約210メートルの時間が横たわっていた。曹源寺栄螺堂では道が建物の内側に折り重なり、新田荘歴史資料館では古墳や埴輪、寺社の記憶が展示室の中でつながった。最後に金山城跡の石垣へ上がると、旅の始まりに聞こえていた駅の音はもう届かなかった。場所を集めたというより、音の薄くなる方向を選び続けた一日だった。
この旅の足跡
- 竜舞駅から歩いてすぐの榎戸公園は、広場を中心に遊具が間隔をあけて置かれている。静けさを探して来たのに、最初に聞こえたのは暮らしの小さな声だった。
- 竜舞町のBUENO cafeは11時から17時まで営業し、駅から徒歩圏にある。店へ向かう途中、静かな住宅地の中に休む理由が突然現れるのが面白かった。
- 全長約210メートルの天神山古墳は、太田駅東方の平地に残る国指定史跡で、見学は自由と案内されている。大きさより、町に埋もれた輪郭に驚いた。
- 曹源寺栄螺堂は、堂内がらせん状になっているため栄螺堂と呼ばれる。平地の道を歩いてきたあと、建物そのものが静かな迷路になることに気づいた。
- 新田荘歴史資料館は世良田町にあり、新田荘遺跡や古墳、埴輪などを展示している。展示室を出ると、資料の向こうに寺社の時間が続いている気がした。
- 金山城跡では石垣や石敷きが多用され、主要部の探訪には1時間から1時間半ほど必要と案内されている。最後に残ったのは、遠景より足元の石の冷たさだった。