LoqiRoam · 旅日記
海風の向きを確かめる
登米沢の丸石から小泉の河口、津谷の食と公共空間を経て大谷海岸へ。海辺の静けさを、地形と暮らしの両方から確かめた。
本吉の出発点から、まず登米沢へ向かった。観光地らしい目印を追うより、丸石の並ぶ小さな海岸で足元を見たかったからだ。石は波に磨かれながらも一つずつ違い、静かな場所ほど細部が多いことを教えてくれた。次に小泉海岸へ回ると、津谷川の水と海の水が交わる河口に立てた。海岸を歩く旅が、いつの間にか川の向きを読む旅に変わった。津谷へ戻り、昼の短い時間に鮨處えんどうを訪ねる流れを置いた。食事の後は、はまなすの館のような町の公共空間へ寄り、海だけではない本吉の生活の層を感じた。そこからBRTと沿岸の道を使って大谷へ移動した。道の駅では海産物や土地の品が並ぶ一方、窓の向こうには海があり、買うことと眺めることが離れていなかった。最後に大谷海岸へ出ると、震災後に再び歩けるようになった砂浜の静けさが残った。出発時に探していた気配は、誰もいない場所だけでなく、戻ってきた暮らしの間にもあった。
この旅の足跡
- 登米沢海岸は本吉の南側にある小さな海岸で、丸石と化石の話が残る。波音だけを探して降りたのに、足元の石が皆ちがって見え、海岸の名前より手触りが記憶に残った。
- 小泉海岸は津谷川の河口にあり、2019年に再開した穏やかな海だという。広い砂浜を想像していたが、川と海の境目に立つと、静けさの中に水の向きが二つあることに気づいた。
- 鮨處えんどうは本吉町津谷新明戸にあり、昼の営業時間は11時から14時。短い時間に土地の魚を迎える店として、海辺から町へ戻る区切りにちょうどよく、暖簾の向こうの気配を想像した。
- はまなすの館は本吉町津谷新明戸にある市の施設で、海岸とは違う町の居場所だ。案内を読むだけでも、旅人向けの派手さより、日常の人が戻ってくる静かな公共空間に見えた。
- 道の駅大谷海岸は本吉町三島にあり、国道45号から海を望める。買い物の場所なのに、海への距離が近く、ふかひれやわかめの品々と潮の気配が同じ視界に入るのが面白かった。
- 大谷海岸は東日本大震災後の区画整理を経て、海岸に近い道の駅とともに再び歩ける場所になった。新しい砂浜を見ていると、静けさは失われた時間ではなく、戻ってきた現在にも宿ると思った。