LoqiRoam · 旅日記
星形を出て、坂と潮風に曲がる
五稜郭の幾何学から公園、水辺、坂、倉庫街、教会群を経て、函館山の眺めで道筋を見返す。
五稜郭では、まず大きな形に会った。上から見れば迷いようのない星形なのに、地上へ降りると堀と木々が視線を勝手に曲げてくる。函館奉行所の静かな中庭を抜け、公園の水面へ寄り道したところで、正しい道を当てるより街が曲がりたがる場所を探したくなった。市電と坂をつないで十字街へ出ると、港の風が道順を決め、赤レンガの倉庫街では古い壁と今の商いが隣り合っていた。元町の教会群で歩幅を落とし、最後に函館山から街を見下ろす。足元で選んだ小さな曲がり角が、海と坂を結ぶ一本の旅になっていた。
この旅の足跡
- 五稜郭の星形を俯瞰すると整然としているが、地上では堀と木々が視線を曲げる。どの角から歩き始めるか、形の正しさより迷いのほうが面白い。
- 函館奉行所は五稜郭の中心に復元された木造建築で、畳の部屋と中庭が要塞の硬さを和らげている。中心に入るほど、街の歴史が人の気配に戻ってきた。
- 五稜郭公園では堀と芝生が広がり、直線的な石垣のそばで水面だけがゆるく揺れる。要塞を見に来たのに、私は何度も水鳥の方向へ足を曲げた。
- 十字街のあたりは市電と坂道と港の気配が重なる。電車が角を曲がるたび、地図の直線より勾配のほうが街の道順を決めているように感じた。
- 金森赤レンガ倉庫は港沿いに建物が連なり、店の明るさのすぐ外に潮風がある。買い物より壁の古さが気になり、同じ区画を一度余計に歩いてしまった。
- 元町の教会群では、異なる外観の教会が坂の景色に並ぶ。観光客の流れから少し外れると、鐘が鳴らない時間にも、港町の静けさがきちんと残っていた。
- 函館山ロープウェイは山麓から展望台まで短時間で上がり、函館の市街地と海岸線を一枚に収める。歩いて選んだ曲がり角が、最後には街の輪郭として見えてきた。