LoqiRoam · 旅日記
千里で、道の気分に任せる
駅前の手仕事から公園、万博の記憶、民藝、古代窯跡へ、曲がり角に導かれて歩いた。
山田駅を出て、最初から目的地らしい顔をした場所を探すのをやめた。手作りの甘いものを見つけ、次にパン屋のテラスを横目にして、住宅地の角をひとつ多く曲がった。千里北公園では、駅前の便利さが遠のくほど空が広がった。そこから万博記念公園へ進むと、太陽の塔の強い存在感に引っぱられながらも、木立の脇道と日本庭園の心字池へ逃げ込めた。日本民藝館では、華やかな名所よりも、使われ続ける道具の静かな説得力に足を止めた。最後は紫金山公園の瓦窯跡へ。丘の斜面に残る窯の並びを見ていると、今日選んだ曲がり角も、ずっと昔から続く地形の一部に思えてきた。
この旅の足跡
- 駅を出てすぐ、手作りのカップケーキやクッキーが並ぶ店に出会った。甘いものを先に選ぶと、今日は急がなくていい気がしてくる。
- 山田駅から徒歩圏のパン屋には、イートインとテラス席がある。焼きたてを持って曲がり角へ出ると、店内より街の匂いのほうが先に記憶に残った。
- 千里北公園は万博公園に次ぐ規模の市内公園で、北千里駅から歩ける。広さのわりに視線が急にほどけ、住宅地の先にこんな余白があるのかと驚いた。
- 万博記念公園は9時30分から17時まで。巨大な記憶の場所なのに、木立の間では足音が小さくなる。太陽の塔を見上げたあと、あえて脇道へそれたくなった。
- 日本庭園の心字池は、池泉回遊式の景色を歩きながら味わえる。水面と石組みを眺めていると、万博の未来志向が急に古い庭の時間へ戻っていく。
- 大阪日本民藝館は10時から17時まで開館し、万博公園内で世界の暮らしの道具を見せている。派手さのない器ほど、旅の最後に長く残った。
- 紫金山公園の吉志部瓦窯跡には、斜面に平窯や窖窯が規則的に残る。最後に選んだ丘の道は、街を歩いたというより地面の記憶を読んでいる感じがした。