LoqiRoam · 旅日記
水音から焙煎の香りへ
南蔵院から鳴淵ダム、五塔の滝、珈琲焙煎所を経て呑山観音寺へ。水音から暮らしの音、最後は木立の静けさへ移る旅。
城戸南蔵院前を出ると、最初に南蔵院の境内へ入った。大きな涅槃像の存在感に目を奪われながら、その奥で不動の滝がひそかに流れている。旅の始まりは、静けさではなく、静けさの中に重なる音だった。そこから鳴淵ダムへ移ると、堤体と水面の広がりが現れ、山の細い道とは違う開放感があった。さらに上流の五塔の滝では、五段に落ちる水が一つの音ではなく、近さによって何度も表情を変えた。歩いたあとは篠栗珈琲焙煎所で休み、滝の冷たい響きから、豆を焼く香りと店内の穏やかな気配へ切り替わる。最後は呑山観音寺へ向かった。多くのお堂と木立の間では、何かを聞こうとするほど、聞こえない時間そのものが長くなる。今日の寄り道は、名所を集めたというより、水、暮らし、祈りの音量を少しずつ変えていく旅だった。
この旅の足跡
- 駅から歩いてすぐなのに、南蔵院では大きな涅槃像の迫力と不動の滝の水音が同じ境内にある。静かな参拝のはずが、山全体に包まれる感じがした。
- 鳴淵ダムの周囲は清流公園として整備され、川遊びや展望台広場の案内がある。人工的な堤体の静けさと、川の細かな音が意外によく合っていた。
- 五塔の滝は流れが五段に分かれ、落差約20メートルと紹介されている。滝壺に季節が映るという説明を読んで、実際には何段の音に聞こえるのか気になった。
- 篠栗珈琲焙煎所は焙煎工場の隣にカフェ空間があり、自然の移ろいを感じながら食事やデザートを楽しめる。滝の音のあとに豆を挽く音を置くと、旅が急に暮らしへ戻る。
- 呑山観音寺は午前6時から午後5時まで拝観でき、境内には本堂や天王院など多くのお堂と季節の花木がある。最後に残ったのは鐘ではなく、木立の間の静けさだった。