LoqiRoam · 旅日記
音の行き先を、山の風に預ける
遺跡の静けさから公園の風、郷土の旋律、木造ドームの反響、駅の列車音を経て、森吉山の風へ向かった。
西鷹巣の朝は、まだ旅の形を決めていなかった。最初に向かった伊勢堂岱では、環状列石の静けさを前にして、音を探す旅にも無音の入口があるのだと気づいた。北欧の杜公園では水辺と草地を歩き、風が景色の表面を撫でる音に耳を預けた。そのあと浜辺の歌音楽館で成田為三の旋律に触れると、土地の記憶が今度は人の手で歌になったように感じられた。大館の木造ドームでは、響きの大きさに少し圧倒された。阿仁合駅では列車を待つ時間そのものが寄り道になり、こぐま亭の食事にレールの気配が重なった。最後は森吉山のゴンドラで山へ上がり、風の音の中へ一日の音をほどいていった。
この旅の足跡
- 環状列石が残る伊勢堂岱遺跡は、公開時間が9時から17時。石の間に立つと、昔の人はここで何を聞いていたのだろう。
- 北欧の杜公園は水辺と草地が広がり、9時から17時まで開園。風が木立を横切るだけで、広場全体が小さな楽器のように感じられる。
- 浜辺の歌音楽館は成田為三の資料を保存し、10時から17時まで開館。楽譜のある部屋で、題名の旋律が町の外まで歩いていく気がした。
- 秋田杉の集成材でできたニプロハチ公ドームは9時から21時30分まで開館。屋内なのに木の大きさが音を抱え、拍手の行方を試したくなる。
- 阿仁合駅には観光案内と列車を眺めるこぐま亭があり、カフェは9時から15時。待ち時間まで旅の一部になる駅で、レールの音が食事に混ざった。
- 森吉山阿仁スキー場では夏期もゴンドラが運行し、案内上の運行時間は8時45分から16時。山頂の風は、今日一日の音を遠くへ運んでいく。