LoqiRoam · 旅日記

路地の先で海がほどける

市場、教会、商店街、近代建築、緑、港を曲がり角でつないだ佐世保の歩行旅。

山あいの出発点を離れ、まず佐世保の戸尾市場へ向かった。防空壕の記憶を抱えた細い通路には、魚や惣菜の匂いがあり、観光地というより町の台所に迷い込んだ感じがした。そこから駅前の三浦町教会へ歩くと、戦時中に黒く塗られた過去を持つ建物が、今は白い輪郭で坂の上に立っていた。商店街では長いアーケードをまっすぐ進めるのに、脇の看板と横道ばかりが気になった。やがて1923年の市民文化ホールで時間が反転し、川沿いの佐世保公園のクスノキでようやく歩幅が落ちた。最後に港を望む海辺へ出ると、路地で集めた細かな発見が水平線へ静かにほどけていった。

この旅の足跡

  1. 防空壕を生かした戸尾市場は、戦後の青空市場の気配を今も通路に残す。車の来ない細道で、魚の匂いと歴史が急に近づいた。
  2. 駅前に立つ三浦町教会は、戦時中に空襲の標的を避けるため黒く塗られた過去がある。白い現在の姿との落差に、足が少し止まった。
  3. 403アーケードは約1キロ続き、雨でも歩ける長い商店街。まっすぐ進めるのに、脇道の看板ばかり気になってしまうのが面白い。
  4. 1923年の凱旋記念館として建った市民文化ホールは、幾何学的な装飾と左右対称の外観が印象的。現役の文化施設なのに、入口だけで時代が反転した。
  5. 佐世保公園は川沿いの芝生と樹齢百年超のクスノキが主役。港町の中心なのに木陰が深く、さっきまでの看板の多さが嘘のようだった。
  6. させぼシーサイドパークは佐世保港を一望でき、駅から近い休憩場所。路地を追ってきた一日の終わりに、海だけは曲がらず遠くへ伸びていた。
地図と足跡で読む