LoqiRoam · 旅日記

駅前から山へ、色がほどける日

湯谷温泉駅から板敷川、鳳来寺山、門前の五平餅、宇連川の車窓をつなぎ、駅前の色が自然と文化の中で変化する一日を過ごした。

湯谷温泉駅では、木の落ち着いた色と湯けむりの白がまず目に入った。そこから板敷川へ歩くと、平らな岩盤や小さな滝、丸いポットホールが現れ、駅前の静けさに水のリズムが加わった。次は公共交通で鳳来寺山へ向かった。表参道の1425段は、杉の深い緑と石の灰色がどこまでも続く道で、途中の仁王門や傘杉が歩く速度を変えてくれた。本堂と鳳来山東照宮では朱色や古い木の形を眺め、自然の中に人の祈りが重なっていることを感じた。門前で五平餅を食べると、炭火の焼き色と味噌の香りが山の記憶を手元へ引き寄せてくれた。帰りの車窓では宇連川の斜面が光の具合で黄緑に浮かび、朝に見た場所まで別の景色に変わった。駅へ戻るころには、集めた色が小さな旅の箱にきれいに収まっていた。

この旅の足跡

  1. 湯谷温泉駅の木の落ち着いた色と湯けむりの白が、山あいの朝を静かに始めていた。列車を待つ時間まで景色に見えてきた。
  2. 板敷川は平らな岩盤や小さな滝、丸いポットホールが続き、ようとめ橋から川全体を眺められる。水音が近く、岩の灰色が思ったより表情豊かだった。
  3. 鳳来寺山の表参道には1425段の石段が続き、杉の深い緑の中に仁王門や傘杉が現れる。登る前から、道そのものが大きな色の束に見えた。
  4. 鳳来寺本堂の朱色は杉と岩壁の間で静かに映え、近くの鳳来山東照宮には江戸初期の建築技法が残る。派手なのに山に負けないのが不思議だった。
  5. 鳳来寺山の門前では、味噌だれの五平餅が炭火で焼かれ、木の看板と香ばしい茶色が並ぶ。杉の緑を見たあとだと、食べ物の色が急に近く感じた。
  6. 宇連川の谷は光の当たる斜面だけ黄緑に浮かび、湯谷温泉街の湯けむりと水辺が重なる。帰りの車窓なのに、朝とは別の山に見えた。
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