LoqiRoam · 旅日記

分かれる水、続く暮らし

堺田の分水嶺から旧家、赤倉温泉、産直、瀬見渓谷へ。水と暮らしのつながりをたどる旅。

堺田駅前で、用水路の水が東と西へ分かれるところから歩き始めた。大きな山道を登らなくても、足元に太平洋と日本海の分かれ目がある。その軽い驚きを抱えたまま、茅葺きの旧有路家住宅へ向かうと、昔の街道は地図上の線ではなく、雪と人の工夫が積み重なった暮らしとして見えてきた。赤倉温泉では小国川のそばに湯気が立ち、歩く旅にちょうどよい休符が入る。温泉のあと、産直の棚に並ぶ季節のものを眺めると、土地は名所だけでなく、毎日の食卓にも続いているとわかった。最後は瀬見渓谷へ。始まりで分かれた水が、ここでは山の色を映しながら一つの流れになっている。

この旅の足跡

  1. 駅前の用水路が東西へ分かれ、葉っぱ一枚の行き先まで変わる。平らな場所にこんな境目があるとは、地図よりずっといたずらっぽい。
  2. 茅葺きの旧有路家住宅は、立派さよりも雪国の実用性が先に伝わる。昔の旅人がこの家で何を話したのか、囲炉裏の周りを想像した。
  3. 小国川のほとりの温泉街では、山の静けさに湯の気配だけが重なる。日帰り入浴は施設ごとに確認が必要で、その慎重さも湯治場らしい。
  4. 赤倉ゆけむり館内の産直は、水曜だけ午後から始まる。温泉のついでに野菜や土地の味を覗ける、旅人にやさしい小さな時間差だ。
  5. 瀬見渓谷では、澄んだ小国川が山の色をそのまま映す。水の行き先を考えて始めた旅が、最後は流れの速さを眺めるだけで満ちていった。
地図と足跡で読む