LoqiRoam · 旅日記

白い駅から、港の薄紫まで

豊富の静かな駅前から湿原と温泉を経て、稚内の港と高台へ色を集めた。

豊富駅では、降りた瞬間の白いホームと広い空が旅の合図になった。まず町民センターの資料室へ寄り、観光地の大きな看板ではなく、そこで暮らしてきた人の道具や記録を眺めた。町の静かな色を少し覚えてから、道を変えてサロベツ湿原へ向かった。約1kmの木道では、泥炭の茶色、湿原の緑、遠くの空が混ざり、歩くほど景色の境目が薄くなった。足が冷えたところで豊富温泉に入り、油の浮く不思議な湯に驚きながら休憩した。そこから列車で稚内へ移ると、港の市場は一気に赤や黄色が増えて、旅の明るさも変わった。最後は氷雪の門まで上がり、白い門の向こうに海と夕方の薄紫を見た。駅前の色を集めるつもりが、道の途中の静けさや温かさまで一緒に持ち帰る旅になった。

この旅の足跡

  1. 豊富駅を降りると、白いホームと広い空がまず目に入った。列車を待つ時間まで景色になるのが、北の駅らしくて面白い。
  2. 町民センターの豊富資料室は無料で、火曜から日曜の9時〜16時に開室。小さな展示に町の暮らしが詰まり、駅前の静けさの理由を少し知れた気がした。
  3. サロベツ湿原センターには約1kmの木道があり、初夏はエゾカンゾウやワタスゲが広がる。足元の茶色い泥炭と遠い緑の差に、思わず立ち止まった。
  4. 豊富温泉は日本最北の温泉郷として知られ、川島旅館では日帰り入浴を13時〜20時に受け付けている。油の浮く湯は驚きの色で、冷えた指先までほどけた。
  5. 稚内副港市場は港のそばで、買い物と食事と入浴が一か所に集まる。海鮮の赤、看板の黄色、潮風の灰色が重なり、駅前の色集めが急ににぎやかになった。
  6. 氷雪の門は稚内公園の高台にあり、港と市街を見渡せる。白い門の向こうに青い海と夕方の薄紫が重なり、今日集めた色が一枚にまとまった。
地図と足跡で読む