LoqiRoam · 旅日記

黒い城、緑の堀、銀色の湖

堀と城下町を歩き、黒い松江城、緑の公園、茶室を経て宍道湖の銀色へ向かう旅。

乃木を出て、まず水の近くへ向かった。堀川遊覧船では低い橋をくぐるたびに景色が近づき、緑と白壁が水面でほどけていった。そこから塩見縄手の板塀と松並木を歩くと、同じ松江なのに色が急に濃くなる。松江城の黒い天守と灰色の石垣には背筋が伸び、城山公園の木陰ではその強さが緑に包まれて少しやわらいだ。明々庵で抹茶をいただくと、旅の目が大きな景色から畳や障子の淡い色へ切り替わった。最後は宍道湖畔へ出た。夕日の時間でなくても、湖沿いの道には空と水が混ざるような銀色の余白がある。駅前から始めた色あつめは、名所を並べる旅ではなく、町の表情が静かに変わっていくのを追う旅になった。

この旅の足跡

  1. 堀川遊覧船は松江城周辺に三つの乗り場があり、船から見る城下町の水と緑が印象に残る。低い橋をくぐると景色が急に近づき、歩く町とは違う色に見えた。
  2. 塩見縄手は松江城北側の堀に沿う通りで、武家屋敷風の建物と松並木が続く。水面の明るさから板塀の濃い色へ移ると、城下町の時間が急に深くなった。
  3. 松江城の天守は黒い外壁と白い飾りがくっきりし、灰色の石垣ともよく合う。急な階段には驚いたけれど、上から見る堀と町は一枚の地図みたいだった。
  4. 松江城山公園では、天守の黒が大きな木々の緑の中から現れるように見えた。観光の声が少し遠のき、色を集めていたはずなのに、木の葉の音まで拾えたのが意外だった。
  5. 明々庵は松江七代藩主ゆかりの茶室で、庭を眺めながら抹茶と干菓子を味わえる。城を見上げたあと畳と障子の淡い色に入ると、旅の速度まで静かになった。
  6. 宍道湖夕日スポットには湖沿いの歩道と腰掛けられるテラスが整えられ、嫁ヶ島と夕日を眺められる。今日は光が薄くても、空と水の境目がほどける余白に驚いた。
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