LoqiRoam · 旅日記
曲がり角から海風へ
萬弘寺と日吉神社の歴史から亀塚古墳の遠景へ進み、佐野植物公園の休息を経て海辺で終える旅。
坂ノ市を出て、最初から大きな見どころへ急がず、古い中心部の道幅が変わるところで曲がった。萬弘寺では、駅から近いのに時間の層が深くなる感じがした。そこから日吉神社の森へ向かうと、住宅の気配が緑に吸い込まれ、歩く音まで控えめになる。次は少し意地悪に方向を変えて亀塚古墳へ。高まりに立つと、細い道を選んできたことが急に地図として見え、豊後水道の広さまで旅の一部になった。佐野植物公園では温室と散策路を覗き、余熱の足湯で足をほどく。最後は大在浜公園へ回り、木陰と海風の間で立ち止まった。名所を順番に集めたというより、町の記憶、森、古代の地形、植物、海辺を、曲がるたびに別の温度で拾った一日だった。
この旅の足跡
- 萬弘寺の参道は駅から歩ける距離なのに、境内へ入ると町の音が一段遠のく。千年以上続く物々交換の話を思うと、静けさにも人の気配がある。
- 日吉神社の森は、道沿いの住宅地から急に緑の密度が変わる。古い神社の社叢を歩くと、観光地というより町が守ってきた秘密の庭に見えた。
- 亀塚古墳は大分市東部の大きな前方後円墳で、後円部の高まりから豊後水道を望める。古代の土の形が、海の広さを測る物差しになるのが面白い。
- 佐野植物公園には観賞温室、散策路、展望広場、草すべり広場があり、余熱を使う足湯もある。公園なのに小さな実験場のようで、休む理由まで少し変わった。
- 大在浜公園は海側の大在北にあり、木陰で弁当を広げられる緑地として案内されている。名所らしい大きな仕掛けはないが、風だけが旅の続きを知っている。