LoqiRoam · 旅日記

影の長さだけ、川根を歩く

家山から野守の池、梅園、川根温泉、塩郷の吊橋、茶茗舘へ進み、影を水景・身体感覚・文化として味わった。

家山に着いたとき、旅の輪郭はまだ大井川の向こうにあった。川辺で雲の影が水面を横切るのを眺め、野守の池へ寄ると、動く水と止まった水では時間の見え方が違うことに気づいた。家山梅園の高台からは町と池と川が重なり、花のない季節にも斜面の木陰が景色を組み立てていた。そこから川根温泉へ移り、湯気の向こうの山を見ながら、遠くを見るだけが旅ではないと思い直す。塩郷の吊橋では足元の川が急に深くなり、橋の影と自分の揺れが重なった。最後に茶茗舘の影絵と川根茶に触れると、今日追ってきた自然の影が、人の記憶の中でもう一度灯った。

この旅の足跡

  1. 家山の川辺では、大井川の流れと山の影が同じ画面に収まる。駅前の旅が始まると思っていたのに、先に気になったのは水面を横切る雲の暗さだった。
  2. 野守の池は家山の町のそばにあり、水面の静けさが周囲の木陰をそのまま映していた。歩く音まで景色に吸われるようで、川とは違う時間の流れに少し驚いた。
  3. 家山梅園は約360本の梅が植えられた高台で、町並みや野守の池、大井川を見渡せる。花の季節でなくても、斜面に落ちる木々の影が景色の骨格を作っていた。
  4. 川根温泉ふれあいの泉では、露天風呂から大井川鐵道のSLと山々を眺められる。湯気で輪郭が揺れる山を見ていると、景色は遠くにあるほど美しいとは限らないと思った。
  5. 塩郷の吊橋は全長220メートルで、大井川に架かる最長の吊橋。橋の下を列車が通ることもあり、足元の水面に橋の影だけが細く残る瞬間を待ちたくなった。
  6. フォーレなかかわね茶茗舘は川根茶を軸に地域の暮らしや歴史を紹介し、館内には影絵の展示もある。最後に光と影の作品を見ると、今日の山の影が別の物語へ移った。
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