LoqiRoam · 旅日記
影は、町の奥行きだった
元荒川、旧日光街道、久伊豆神社、葛西親水緑道、CAFE803をつなぎ、越谷の影が水辺・歴史・樹木・暮らしごとに変わる様子を眺めた。
越谷の駅前を出ると、最初はただ明るい午後だった。元荒川の水辺で橋の影が水面にほどけるのを見てから、歩く速度が変わった。旧日光街道へ折れると、古い商家と新しい町並みが隣り合い、軒先の暗がりが道の記憶をそっと支えていた。久伊豆神社では、江戸後期の本殿や句碑、木立の重なりが、時間を一枚の平面にせず奥へ奥へと沈めていた。そこから葛西親水緑道へ移ると、用水の反射と花の気配が影を明るくほどき、最後はCAFE803の窓辺で休んだ。影を探す小旅行は、暗い場所へ向かう旅ではなかった。水、木、屋根、店先。暮らしが光を受け止める、その細い縁を歩く旅だった。
この旅の足跡
- 元荒川は越谷を流れる一級河川で、橋の上から河川敷と水面を見渡せる。欄干の影が流れにほどける様子を眺めると、街が水にもう一度描かれているようだった。
- 越谷宿は旧日光街道の宿場町として栄え、今も古い建物や商家が新しい町並みに混じる。軒の深い影を追うと、道の幅まで昔の呼吸を残している気がした。
- 久伊豆神社の本殿は江戸後期の建立で、境内には市指定文化財や句碑、県指定天然記念物の藤がある。木立の影が建物の輪郭をゆっくり削っていた。
- 葛西親水緑道は柳橋付近からしらこばと橋付近まで約1.3km続き、季節の花や水際の小さな腰掛けがある。木陰と用水の反射が、別々の時間を同時に見せていた。
- 越谷宿の散策途中にはCAFE803があり、越ヶ谷の町に店を構える。営業時間は9時から18時、月曜定休。歩きの終盤、窓辺の明るさを休憩に選びたくなった。