LoqiRoam · 旅日記

曲がり角の先で、造船の町がほどける

公園から商店街、文化住宅、壁画、造船所跡、住吉大社へ。歩いて見つけた角と、入らない判断が旅の輪郭を作った。

住之江公園では、駅のそばなのに木陰と運動場の余白があり、まず急がないことにした。大通りを少し外すと加賀屋商店街の南北の流れに出る。四つの商店街がつながり、昔の店舗数と今の店の数が同じ通りに重なっている。そこから気まぐれに住宅の細道へ入り、古い文化住宅を生かした千鳥文化でひと休み。営業時間の短さまで、この町の店が日常の速度で動いている感じがした。さらに北加賀屋の壁画を追うと、曲がり角のたびに住宅地の壁が別の顔を見せる。造船所跡のクリエイティブセンター大阪は通常立入禁止だったので、入れないことも含めて河口の風景を眺めた。最後は住吉大社へ電車で転じ、桧皮葺の住吉造と千年楠の前で立ち止まる。新しい絵と古い木、どちらも町が時間を保存する方法なのだと思う。

この旅の足跡

  1. 大きな道路沿いの公園なのに、園内には木陰と運動の余白があり、出発点の無機質さが少しほどけた。ここから最初の曲がり角をどちらに選ぶか、妙に迷う。
  2. 約400メートルの通りに複数の商店街が連なり、最盛期の店舗数と今の営業店数の差まで見えてくる。買い物の道なのに、町の時間が折り重なっていた。
  3. 古い文化住宅を引き継いだ建物に食堂や店が入り、営業時間は11時半から16時、売り切れ終了とのこと。新しい店なのに、壁の古さが先に話しかけてくる。
  4. 北加賀屋には30点を超える壁画が街中に点在し、造船所跡前の防潮堤にも作品が続く。角を曲がるたび景色が説明を裏切るのが面白い。
  5. 木津川河口の名村造船所跡地は創造拠点として知られる一方、通常は私有地で一般見学できない。入れない場所の輪郭を、外から風景として読む。
  6. 住吉大社の本殿は桧皮葺の住吉造で、市内唯一の国宝建造物。楠珺社には千年を超える楠もあり、壁画のざわめきの後に木の時間が残った。
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