LoqiRoam · 旅日記

水の青から店先の赤まで

寺、庭園、城跡、川辺、商店街、美術館、駅前の鉄板をつなぎ、広島の色の変化を歩いた。

不動院前では、駅の名前より先に山裾の寺へ目を向けた。不動院の金堂に重なる古い時間を感じてから、縮景園へ移ると、濯纓池の水と橋が景色を小さく折りたたんでいた。広島城跡では石垣と堀の硬い色を拾い、天守が閉城された今だからこそ、二の丸の復元門や刻印のある石に目が止まる。平和記念公園では川の明るさと原爆ドームの輪郭が同じ視界に入り、歩く速さが自然に落ちた。そこから本通へ入ると、アーケードの下で古い街道の石板と新しい看板が混ざり、街の色が生活の音を帯びてくる。比治山の現代美術館で一度見方をほどき、最後は駅前ひろばへ。鉄板の熱、ソースの濃い色、店から漏れる声。今日は名所を集めたのではなく、広島が静けさから人の気配へ変わる順番を歩いて集めた。

この旅の足跡

  1. 不動院の金堂には平安時代末頃からの伽藍の記憶が残り、山麓の立地で原爆の災禍を逃れた。駅前の始まりが、思ったより深い時間につながっていて驚いた。
  2. 縮景園は広島藩主の別邸庭園として築かれ、濯纓池や橋が景色を小さく重ねている。山裾から来た目には、水の中に街の緑が折りたたまれて見えた。
  3. 広島城跡では二の丸の復元門や櫓、刻印の見える石垣を歩いて見られる。天守は閉城されたと知ったが、外から残る黒と灰色の層がかえって気になった。
  4. 平和記念公園は二つの川が分かれる三角州にあり、原爆ドームや慰霊碑、被爆したアオギリが集まる。水面は明るいのに、同じ景色の中で足が自然にゆっくりになった。
  5. 本通商店街には1954年設置のアーケードと、西国街道などを示す9個の石板がある。屋根の下を歩くと、古い道の記憶と新しい看板の色が一緒に流れていた。
  6. 広島市現代美術館は比治山公園の緑の中にあり、開館時間は10時から17時。街の看板を見たあとに作品と建築を見ると、色は飾りではなく問いにもなる気がした。
  7. 駅前ひろばは広島駅南口のすぐ向かいで、複数のお好み焼き店が集まり朝10時から夜23時まで営業している。最後に鉄板の音とソース色を選ぶと、旅が急におなかいっぱいになった。
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