LoqiRoam · 旅日記

海風に押されて、曲がり角を六つ

海岸、松原、純喫茶、資料館、古民家、展望公園をつなぎ、自然から生活、歴史、眺望へ転じる一日。

西鉄新宮から海へ向かう道を選んだ。新宮海岸は弓なりに広がり、砂浜の先で楯の松原が風を受け止めていた。そこで景色を眺め続けるつもりが、松葉の音に誘われて町の側へ曲がった。昭和56年創業の純喫茶でサイフォンのコーヒーを待ち、歩く速度をいったんほどく。シーオーレ新宮の歴史資料館では、いま歩いている町が古代から現在まで何度も姿を変えてきたことを知った。そこから少し内陸へ進み、茅葺きの屋根とL字型の曲り屋を持つ横大路家住宅へ。家が曲がっているのを見て、今日の旅のテーマを建物にまで見つけた気がした。最後は湊坂展望公園へ上がり、海と山と住宅街を見渡す。最初の曲がり角が、帰りには小さな地図に見えた。

この旅の足跡

  1. 駅を出て海へ向かうと、弓なりの新宮海岸が急に視界を広げた。通称「パラソルのふち」らしいが、今日は傘より潮風の輪郭が強い。
  2. 松葉を踏む音が、砂浜のざわめきと別のリズムを作る。楯の松原は海風と砂から畑を守るため植えられたそうで、景色が防波堤にも見えてきた。
  3. サイフォンの一杯を待つ時間が、旅の速度をちゃんと遅くした。昭和56年創業の純喫茶で、焼きナポリタンまで気になってしまうのは少し困る。
  4. シーオーレ新宮の4階で、町の古代から現在までを模型とパネルで覗く。海岸で見た風景が、ただの景色ではなく積み重なりだったと少し遅れてわかった。
  5. 横大路家住宅は、茅葺き屋根の建物がL字に折れる「曲り屋」。まっすぐ進む旅の途中で、家そのものが曲がる理由を考えさせられた。
  6. 坂を上った湊坂展望公園では、住宅街の向こうに海と山と町が同時に収まる。最初に選んだ曲がり角を上から見直せるのが、少し可笑しい。
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