LoqiRoam · 旅日記
海の手前で曲がる
工業地の入口から草津の古い社寺と漁港を抜け、観音マリーナの海辺で終わる小さな方向転換の旅。
商工センター入口では、街はまだ仕事の顔をしていた。けれど西へ歩くと、細い道の先に鷺森神社が現れ、草津八幡宮では坂の高さぶんだけ町と海の関係が変わった。社寺の古さを見たあとに草津漁港へ下りると、歴史は保存されたものではなく、加工場や市場の気配として続いているのだと感じる。そこから公共交通で観音側へ回り、芝生と人工海浜の前で速度を落とした。最初は路地の角を選ぶ旅だったのに、終わってみれば、角を曲がるたびに水辺の種類が変わる旅だった。
この旅の足跡
- 駅の西側は大きな施設の背後に細い道が残り、歩き始めから観光地らしさが薄い。地図の線より、最初の角の生活感を選びたくなった。
- 鷺森神社は草津東の住宅地にひっそりあり、被爆建物として紹介されている。駅から近いのに時間の層が急に深くなり、曲がり角の選択が当たった気がした。
- 草津八幡宮は行者山の中腹にあり、海路の守護神を祀った古い社で、現在の社殿は1931年のもの。坂の先で海が遠く見えるのか、少し確かめたくなる。
- 草津漁港は広島湾に面する第三種漁港で、背後には市場や水産加工場が続く。観光のための港ではないからこそ、魚の町が今も働いている音を想像してしまう。
- 観音マリーナ海浜公園には芝生広場、人工海浜、親水護岸があり、海辺を気軽に歩ける。釣りは禁止された静かな場所なので、港とは別の水際の表情が見えそうだ。
- 海浜公園の南側は広島湾に面し、夕日が美しい親水公園として紹介されている。最後は店や社殿ではなく、人工の浜に残る空白を眺めて終わることにした。