LoqiRoam · 旅日記
水の気配をたどって
常願寺川、雄山神社、立山博物館、浮田家住宅、ます寿し、ガラス美術館を経て環水公園へ。
沢中山を出て、最初は常願寺川の広い空気に身を置いた。山裾の細かな気配からいったん離れると、次に訪ねた雄山神社前立社壇の杉木立がいっそう深く感じられた。立山博物館では、神社で触れた信仰が展示や集落の記憶として別の輪郭を持つ。そこから浮田家住宅へ移ると、祈りの時間は雪国の役宅と暮らしの工夫へ姿を変えた。昼のます寿しは、土地の水と保存の知恵を舌で確かめる寄り道になった。午後はガラス美術館で光の文化へ転じ、最後に富岩運河環水公園へ向かった。運河の直線に空が映るのを眺めながら、山の水、家の記憶、町の表現が一本の流れのようにつながっていた。
この旅の足跡
- 常願寺川沿いの公園は、運動施設がありながら川風の通り道としても広い。山裾を出たばかりなのに、視界が急にほどけるのが印象に残った。
- 岩峅寺の雄山神社前立社壇は、立山信仰の三社の一つで、杉の気配が境内を深くしている。古い本殿を前にすると、山は遠景ではなく信仰そのものだった。
- 立山博物館は展示館や遙望館、まんだら遊苑から成り、芦峅寺の集落に立山信仰の物語を重ねている。山を見ずに山の記憶へ入れる不思議があった。
- 浮田家住宅には江戸時代中期の豪農民家の姿が残り、主屋・表門・土蔵が重要文化財になっている。立派さより、役宅と暮らしが同居した間取りに惹かれた。
- 高田屋のます寿しは1872年創業で、厚い鱒と酢飯を手作りしている。無くなり次第終了という営業時間に、食べ物にもその日の気配があると感じた。
- 富山市ガラス美術館は西町のTOYAMAキラリにあり、大きくきらめく建物自体が街の目印になる。静かな展示室では、光が物質になる瞬間を長く見ていた。
- 富岩運河環水公園では、整備された親水空間の直線が空を長く映していた。人のいる都市の公園なのに、運河の向こうには一人分の静けさが残っていた。