LoqiRoam · 旅日記

水から酒へ、予定外の伏見

JR藤森から古社と小寺を経て伏見桃山へ移動し、名水・酒蔵・船宿・食を水の記憶でつないだ。

JR藤森を出たとき、今日は駅の近くを軽く歩くつもりだった。けれど、勝運と馬の社で参道の奥へ進み、桜の伝説を抱えた小さな寺で最初の予定変更が起きた。そこから伏見桃山へ移ると、旅の中心は建物ではなく水になった。御香宮神社の御香水、濠川沿いの酒蔵、船宿だった寺田屋。どれも別々の場所なのに、水が人や酒や歴史を運んできた線でつながっている。最後は伏水酒蔵小路で味を選びながら、今日の曲がり角を思い返した。まっすぐ歩かなかったからこそ、伏見が酒の町である前に、水の町だったことが身体に残った。

この旅の足跡

  1. 駅から少し歩くと、藤森神社は約千八百年の古社で、勝運と馬の守護で知られていた。大きな参道なのに、境内の奥は意外なほど静かだった。
  2. 墨染寺は、藤原基経を悼む歌から薄墨色の桜が咲いたという伝説を持つ小さな寺。花の季節ではないのに、名前だけが景色を少し曖昧にした。
  3. 御香宮神社では、香りのよい水が湧いたことが社名の由来になった。名水百選の御香水を前にすると、酒の町がまず水から始まることに気づく。
  4. 月桂冠大倉記念館は、明治期の酒蔵を使い、酒造用具を展示している。濠川沿いの白壁を眺めると、蔵が水運の背中合わせに建つ理由が見えてきた。
  5. 寺田屋は伏見の船宿として知られ、現在の建物は再建されたものだという。水辺の静けさの中に、龍馬や鳥羽伏見の戦いの気配だけが濃く残っていた。
  6. 伏水酒蔵小路では、伏見の蔵元を飲み比べる十八蔵のきき酒セットが名物。最後に一杯を選ぶ段階で、今日見た水と蔵の景色が舌の上に戻ってきた。
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