LoqiRoam · 旅日記

水音のあとに、町の声

廉太郎トンネルから歴史文化館、岡城跡、洞窟礼拝堂、泉水湧水、豊後竹田駅へ、音の変化で竹田の歴史と暮らしをたどった。

出発してすぐ、今日は名所を集めるより、音が次の場所を呼ぶ順番に身を任せようと思った。廉太郎トンネルでは、歩く動きに応じてメロディーが浮かび、暗い通路が小さな楽器のように感じられた。歴史文化館で岡城と城下町の輪郭を知ると、石垣の上で聞こえる風にも別の意味が生まれた。高台の広い空から洞窟礼拝堂の狭い静けさへ下り、鳥の声と岩壁の冷たさに、残された祈りを想像した。最後に泉水湧水へ向かうと、観光のためだけではない水の音が暮らしの中で続いていた。駅へ戻るころには、トンネルの旋律、風、沈黙、水、列車の気配が一つの旅になっていた。遠くへ行ったというより、竹田の奥行きを耳で少しずつ開いた一日だった。

この旅の足跡

  1. 廉太郎トンネルを歩くと、センサーに反応して『荒城の月』などが流れる。暗い通路に突然メロディーが浮かび、町の記憶が足音に重なる感じがして、もう一度通りたくなった。
  2. 竹田市歴史文化館・由学館は隈研吾設計の建物で、岡城のジオラマや田能村竹田の作品を見られる。展示は静かなのに、城下町の過去が立体的に立ち上がってきた。
  3. 岡城跡は坂と急な石段の先にあり、受付は9時から17時。高い石垣の上では町の音が遠のき、風だけが近くなる。『荒城の月』の背景を耳でも想像した。
  4. キリシタン洞窟礼拝堂は岩壁を幅約3メートルほどくり抜いた小さな空間で、正面に花頭窓のような穴が残る。鳥と風しか聞こえない場所で、隠された祈りの深さに驚いた。
  5. 竹田湧水群の泉水湧水は日本の名水百選の一つで、豊富な軟水が静かな水音をつくる。住宅地の近くに突然現れる透明な流れが、暮らしと自然の距離を縮めていた。
  6. 豊後竹田駅は瀧廉太郎や『荒城の月』と結びつく駅で、駅舎にも城下町らしい趣がある。列車を待つ足音と発車の気配を聞きながら、寄り道が一つの曲になった気がした。
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