LoqiRoam · 旅日記

水面から煉瓦へ、影の濃淡をたどる午後

平賀から尾上・猿賀を経て弘前へ。庭園、水辺、産業建築、城跡、旧官舎に現れる異なる影をつないだ。

平賀を出たとき、旅は駅の近くで静かに閉じるように思えた。けれど尾上へ向かい、盛美園の池と和洋折衷の盛美館を見た瞬間、光の読み方が変わった。猿賀公園では蓮の季節を想像しながら、水面に揺れる木立の影を眺めた。そこから弘南線で弘前へ移る。煉瓦倉庫の壁には、酒造とシードル工場だった時間が深い赤として残っていた。弘前公園では堀と石垣の影が風にほどけ、最後は旧官舎の窓辺で休んだ。名所を集めたというより、水の暗がりから建物の陰へ、そしてまた生活の明るさへ、影が次の場所を指してくれた一日だった。

この旅の足跡

  1. 盛美園は約1万2000平方メートルの庭に、1階が和風で2階が洋風の盛美館を置く。池の光より、建物の軒下に沈む庭の影が長く残った。
  2. 猿賀公園の鏡ヶ池は夏に蓮で覆われ、春には池の周囲を約330本の桜が彩る。今日は花の不在も含め、水面に揺れる木立の影を眺めた。
  3. 弘前れんが倉庫美術館は、明治・大正期の酒造工場と戦後のシードル工場を改修した場所。赤い壁の影を見ていると、展示前から建物が語り始めた。
  4. 弘前公園では、桜だけでなく堀の水と石垣の凹凸が光を細かく分ける。城を探すより、葉影が水面でほどける場所を探す散歩になった。
  5. 旧第八師団長官舎を生かした弘前公園前店では、木造の意匠と現代のカップが同じ窓辺に並ぶ。古い柱の影が、休憩を小さな時間旅行にした。
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