LoqiRoam · 旅日記

赤池から、焼き物と水音のほうへ

赤池を起点に、地域の記憶、川辺、梨、上野焼、窯元、峡谷へと寄り道を重ねた。

赤池を出たときは、駅前の細い道をひとつ選ぶことしか考えていなかった。けれど、その先に図書館・歴史資料館「ふくちのち」があり、本を借りる場所の隣でパンの匂いがして、町の入口は思ったより賑やかだった。川辺へ出ると空が広がり、今度は上野の里へ向かう道を選んだ。交流市場では陶器の産地に梨の気配が混じり、旅の向きが少しおかしくなる。窯元で器の表面を眺めたあと、上野峡へ進むと、景色は建物から水音へ交代した。最後の曲がり角では、迷った道のほうが町をよく覚えさせてくれる、と妙に納得した。

この旅の足跡

  1. 赤池駅から少し歩くと、図書館なのにベーカリーカフェや3Dプリンターまで抱えた「ふくちのち」が現れる。町の入口が、ずいぶん多機能で可笑しい。
  2. 川の合流する町らしく、金田の河川敷では空が急に広くなる。細道を選び続けた目には、この開け方が少し眩しく、歩く向きまで迷わせる。
  3. 県道沿いの上野の里交流市場は、窯元めぐりの途中で梨に出会える場所。陶器だけを見に来たつもりが、赤池梨の気配に足を止められる。
  4. 上野焼は400年以上続き、今も複数の窯元が上野地区に点在する。交流館では器を眺めるだけでなく、集落そのものが焼き物の展示室に見えてくる。
  5. 渡窯では、400年以上の土地の系譜が現在の器に続いている。営業時間を確認してから訪ねると、窯の仕事は遠い伝統ではなく、今日も続く作業だとわかる。
  6. 上野峡には川のせせらぎや鳥の声がある。白糸ノ滝や虎尾桜の話を知ってから歩くと、山道の曲がり角がただの景色ではなく、時間の層に見えてくる。
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