LoqiRoam · 旅日記

静けさから太鼓、そして細い屋根へ

文化の森の展示から眉山の眺望、水辺、踊り、城跡、駅前商店街へ。静けさと街の音を順番に拾った。

文化の森を出たときは、近代美術館だけを見て静かに帰るつもりだった。けれど展示室の外に広がる木立が気になり、博物館へ寄り道した。自然と歴史の資料を見たあとでは、さっきまでの坂道まで土地の記憶に見えてくる。そこで少し気まぐれに予定を変え、ロープウェイで眉山へ上がった。高い場所から徳島市街を眺めると、道は一本ではなく、川と橋と屋根の間に何本も隠れていた。山を下りて阿波おどり会館で音の気配を受け取り、新町川の水際でそれを静かにほどく。さらに城跡の石垣と庭園を歩き、最後はポッポ街の細いアーケードへ入った。華やかな名所から日常の商店街まで、曲がるたびに旅の温度が変わった。

この旅の足跡

  1. 文化の森の木立を抜けると、近代美術館は9時30分から17時まで開いていた。静かな園路から展示室へ入る瞬間、外の緑まで作品の続きに見えてきて少し戸惑う。
  2. 徳島県立博物館では自然と歴史を総合的に扱っている。さっき見た山の緑が、今度は標本や郷土資料の向こう側から説明してくるようで、展示室を出るのが少し惜しくなった。
  3. 眉山山頂駅の展望休憩所から、吉野川や徳島市街を一気に見渡せる。約6分のロープウェイで坂を省略したのに、景色だけは急に遠くまで歩いたように広がった。
  4. 阿波おどり会館では、ミュージアムの展示だけでなく昼の踊りも見られる。静かな山頂から戻った耳に、祭りが保存物ではなく今も動くものだと響いてきた。
  5. 新町川水際公園には湧水や滝、噴水があり、昼と夜で表情が変わる。会館の太鼓を背に川面を見ると、観光の音より橋を渡る人の速さが気になった。
  6. 徳島中央公園は徳島城跡を活かした広い公園で、鷲の門、表御殿庭園、バラ園まで一つの場所に重なっている。水辺から石垣へ曲がると、街の古い骨組みが急に近い。
  7. ポッポ街は徳島駅に隣接する全長約160メートル、幅4メートルの歩行者専用アーケード。昔の賑わいと空き店舗が同じ屋根の下にあり、最後の一歩だけ街の普段着に混ざれた。
地図と足跡で読む