LoqiRoam · 旅日記
看板の赤から川辺の緑へ
八王子駅前の看板から織物の藍、神社の緑、文化施設の気配、南浅川の銀へと色の層を歩いて集めた。
京王八王子駅を出ると、ユーロードのアーチと看板がまず目に飛び込んできた。赤や黄色は店先に並んでいるだけなのに、人の流れまで少し明るく見える。そこから八王子織物工業組合へ向かうと、今度は藍や茶の落ち着いた色が現れた。駅前の華やかさの奥には、布と手仕事の長い時間がある。八幡八雲神社では木漏れ日の緑に包まれて、街の音が一度ほどけた。夢美術館といちょうホールでは、建物の内側にある作品や音の気配へ寄り道した。最後に陵南公園まで足を伸ばすと、南浅川の銀色と草の緑がゆっくり揺れていた。たくさんの色を集めたはずなのに、帰り道に残ったのは、静かな余白の色だった。
この旅の足跡
- ユーロードの入口では、商店街の名前を掲げるアーチと店先の看板が、駅から出たばかりの視界を一気に塗り替えた。赤と黄色が多いのに、歩く人の動きまで明るく見えるのが不思議だった。
- 八王子織物工業組合は八幡町の八王子繊維貿易館内にあり、織物の歴史が明治から続いている。派手な看板を追ってきたのに、ここでは藍や茶の落ち着きが目に残り、街の色には下地があるのだと感じた。
- 八幡八雲神社は八王子市中心市街地の氏神で、八幡神社と八雲神社が合祀されている。通りの看板色から境内の木々の緑へ景色が急に変わり、街の真ん中にも静かな境目があることに驚いた。
- 八王子市夢美術館はビュータワー八王子の2階にあり、10時から19時まで開館している。街の建物の中に作品の色が隠れている感じがして、外の看板を集めていた目が、今度は一枚の画面に吸い寄せられた。
- いちょうホールは八王子市本町の芸術文化会館で、開館時間は9時から22時。入口の落ち着いた外観と、ホールに集まる音楽や展示の気配を想像すると、街の色は目だけでなく耳にもあるのかもしれないと思った。
- 陵南公園は南浅川のほとりにある、明るく開放感のある都立公園。駅前の密な看板色とは反対に、川面の銀色と草の緑がゆっくり動き、最後は色の少なさがいちばん豊かに感じられた。