LoqiRoam · 旅日記

川面へほどける午後

郊外のカフェから商店街、劇場、水辺、歴史邸宅を経て展望へ。近い光から遠い光へ移る午後。

天道を出て、まず堀池のカフェで町へ入る速度を落とした。雑貨の棚に差す光を見てから飯塚本町へ向かうと、軒の影が道を細くし、街家caféつむぎの町家らしい静けさへ続いていた。嘉穂劇場の前では、再開場を待つ建物の重さに足が止まった。そこから中の島へ抜けると、遠賀川と穂波川の水面が空を広げ、橋の影だけが明るさを切り分けていた。幸袋の旧伊藤伝右衛門邸では、長い畳廊下とステンドグラスの色が、外の午後とは違う時間をつくっていた。最後に八木山の高みへ上がる。町の屋根は遠くで一枚の光になり、歩いてきた道が静かに輪郭を取り戻した。

この旅の足跡

  1. 飯塚駅から少し歩いた堀池で、雑貨店に隣接するカフェを見つけた。昼の光が棚と窓に分かれ、歩き始めなのにもう町の速度が緩んだ。
  2. 飯塚本町商店街の街家caféつむぎは、古い町家の間に9時半から開く小さな休憩点。軒の暗さから店内へ入ると、光が紙のように薄くなる。
  3. 嘉穂劇場は再開場の知らせが出ている一方、いまは歴史を抱えた建物として立つ。入口の影を見て、舞台の明かりはまだ外へ漏れていないのかと考えた。
  4. 遠賀川と穂波川が寄り添う中の島は、町なかにありながら空が広い。水面の白さが橋の影で急に消え、歩く方向まで一度ほどけた。
  5. 旧伊藤伝右衛門邸では、長い畳廊下やひし形のステンドグラスが知られている。外の強い光より、室内に割れた色のほうが長く残った。
  6. 八木山展望公園の高みから飯塚の市街地を見下ろす。近くで拾った看板や屋根が遠くでは一枚の明るい面になり、歩いた距離が初めて見えた。
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