LoqiRoam · 旅日記
小道がめくった和光の時間
白子川から富士塚、滝行、古民家、環濠遺跡、カフェへ。水と地形と看板を手がかりに、和光の時間を歩いた。
和光市を出てすぐ、駅の案内板に従うのではなく、白子川の細い流れを探して歩いた。住宅の間に水が見え隠れすると、道は目的地へ向かう線ではなく、町の地形を読むための文章に変わった。白子熊野神社では、明治に築かれた大きな富士塚に出会い、続く清龍寺不動院では湧水と滝行の場が隣り合う。ここで散歩の温度が変わった。次に新倉ふるさと民家園の茅葺き屋根を眺め、暮らしの時間をたどる。さらに午王山遺跡の環濠を想像すると、今の住宅地の下に別の町が眠っているようだった。最後はカフェの看板を目印に休み、遠出をしなくても、看板と小道の順番で旅は深くなるのだと感じた。
この旅の足跡
- 白子川下流コースが散歩マップに載るほど、街の中に水の線が残っている。住宅の隙間で流れを見つけると、駅前の印象が少しずつほどけていった。
- 白子熊野神社の富士塚は高さ約10メートル、明治3年築造とされる。境内の看板を読んでいると、遠い富士山がこの町の小さな丘に変わった不思議を感じた。
- 清龍寺不動院には平安時代から続く滝行の場と湧水の龍神池がある。街なかの細道の先で、急に水音と修行の気配が現れるとは思わなかった。
- 新倉ふるさと民家園では、江戸中期の旧冨岡家住宅が移築復元されている。茅葺きの大きさを前にすると、外環道の下にも古い暮らしが残ることに目を見張る。
- 午王山遺跡は和光市初の国史跡で、近年の調査では並行する二本の環濠も確認された。見える景色は静かな住宅地なのに、足元だけが弥生の防御線を隠している。
- 白子1丁目のカフェ&Barハレバレは昼のカフェ営業が11時30分から17時。史跡の緊張をほどき、看板の営業時間を頼りに町の現在へ戻る休憩にした。