LoqiRoam · 旅日記

鬼の看板、細道、山の記憶

予土線の駅前から文化施設、喫茶店、鬼の道の駅、古寺、日吉の産地へ。看板と細道を手がかりに、町の現在と山の記憶をつないだ。

深田を出たときは、ただ静かな予土線の駅から歩き始めるつもりだった。けれど近永へ向かうと、駅前の案内板やアエレールの展示が、町には町の速度があると教えてくれた。喫茶店の営業情報がはっきりしないことさえ、現地で確かめる理由になる。国道へ出ると、森の三角ぼうしの巨大な鬼王丸が突然現れ、山の恵みを並べる売り場との組み合わせに思わず笑った。その後は等妙寺の名に引かれて細い道へ入り、賑わいの背後に古い信仰と山の層があることを感じた。最後はバスで日吉へ。柚子や椎茸、キジの品々と美人鬼の像に見送られ、看板を追った散歩が、土地の暮らしを読む旅へ変わっていた。

この旅の足跡

  1. 無人駅の静けさの先で、予土線の近永駅は町の入口らしい顔をしていた。駅前の小さな案内板から、歩いて確かめたい道が増えていく。
  2. 駅から一分のアエレールは、展示交流施設でありながら町の文化活動の窓でもある。無料で入れる気軽さに、次は何が並ぶのかという期待が残った。
  3. 近永1065番地の喫茶店「みち」は、営業時間が検索だけでは判然としない。だからこそ、営業中なら町の声を聞く休憩に、閉まっていれば看板を眺める寄り道になる。
  4. 高さ5mの鬼王丸が入口で待つ森の三角ぼうし。大きな像の迫力と、青空コーナーの惣菜やおにぎりの身近さが同居していて、看板の町らしさに驚いた。
  5. 等妙寺の名は、山中の旧境内へ続く長い時間を背負っている。近永の賑わいから少し離れるだけで、寺の位置と山の気配が町の奥行きを教えてくれた。
  6. 日吉夢産地では、柚子や椎茸、キジなど山の恵みが売り場に集まる。美人鬼の像に迎えられながら、看板のユーモアと産地の現実が一緒に見えてきた。
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