LoqiRoam · 旅日記

光の外側を歩く

小菅の屋上公園から荒川、花菖蒲の庭、郷土と天文の博物館、大谷田公園、商店街、普賢寺へ。都市の中で姿を変える影をたどった。

小菅を出たとき、行き先はまだ決めなかった。まず水再生センターの屋上にある公園へ上がると、街は少しだけ遠くなり、遊具や木立の影が人工の高さに静かに置かれていた。荒川の風へ降り、広い空のあとに花菖蒲の細い葉を見た。咲く時期を過ぎても、葉の重なりには次の季節を待つ形が残っている。博物館では、水と暮らしの歴史から太陽望遠鏡まで、土地の時間が同じ建物に収まっていた。外へ戻り、大谷田の枝影を抜けて商店街へ入ると、茶や米や青果の店先が日常のための小さな日除けになっていた。最後に普賢寺へ着くころ、影は追うものではなく、歩いてきた道を静かに折りたたむものになっていた。

この旅の足跡

  1. 小菅西公園は水再生センターの屋上にあり、遊具やフットサルコートまで載っている。高架のような場所なのに、木陰では足音が急に小さくなった。
  2. 堀切菖蒲園には約200種6000株の花菖蒲が育つ。花の季節でなくても、細い葉が重なって地面へ落とす影には、咲く前の気配が残っている。
  3. 葛飾区郷土と天文の博物館では、水と葛飾の歴史、暮らし、太陽望遠鏡まで一つの館で見られる。展示ケースの反射が、過去と空を同じ薄明かりにした。
  4. 大谷田公園は梅を楽しむための改善が続けられてきた公園。枝の間からこぼれる光は、花がない時期にも季節の続きを思わせ、歩く速度を自然に落とした。
  5. 東和銀座商店街には茶、米、青果、食肉などの店が並ぶ。庇の影の下で商品だけでなく、店を続けてきた時間まで少し濃く見えた。
  6. 普賢寺には、朽ちた大木の根元から薬師像が見つかったという縁起が伝わる。夕方の石塔と樹木の影を見ていると、地面の下にも古い水脈がある気がした。
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