LoqiRoam · 旅日記
看板の向こうで、保田の一日が深くなる
保田駅から港の食文化、細道の寺、保田海岸、菱川師宣記念館、旧校舎の道の駅をめぐり、看板と小道から町の記憶をたどった。
保田駅を出ると、看板が歩く向きを少しずつ教えてくれた。まず港のばんやへ寄り、魚を食べる場所の背後に、朝から動く漁の時間を想像する。細い道へ折れると大行寺の静けさに包まれ、町は急に低い声になった。そこから保田海岸へ出ると、砂浜と水平線が一気に視界をひらく。広重が描いた海岸だと知り、目の前の波と昔の絵を重ねてみたくなった。最後は菱川師宣記念館で土地から生まれた表現に触れ、保田小学校で休憩。港、路地、海、絵、校舎が、一本の散歩の中で思いがけずつながった。
この旅の足跡
- 保田駅の周りには、港へ向かう道と山へ向かう道が同じ看板の中に並んでいた。どちらへ進んでも町の奥がありそうで、最初の一歩から迷うのが楽しい。
- ばんやの看板は、食堂の案内というより港の仕事場への入口に見えた。漁協直営で、平日も朝から夕方まで営業していると知り、魚の町の時間を想像する。
- 駅から少し外れた細道の先で、大行寺の静けさに足が止まった。車では入りにくい道が残っているのが意外で、保田の歩く速度を教えられた気がする。
- 保田海水浴場は約900メートル続く砂浜で、広重が描いた房州保田海岸の場所でもある。現代の波を見ながら、昔の絵と同じ水平線なのか気になった。
- 菱川師宣記念館は9時から17時まで開館し、保田駅から徒歩15分の場所にある。海岸の実景を見たあとで浮世絵を知ると、土地の見方が少し変わりそうだ。
- 道の駅保田小学校は、廃校になった校舎を食事や買い物の場へ変えている。教室の記憶と新しい店の匂いが同居していて、歩いた町をしまう休憩所として不思議にちょうどいい。